大学生の7割がPCスキルに「自信なし」――「画面をタッチするとカーソルが動くと思い込んでいた」というエピソードも
調査は、就職活動を経験していない大学1年~3年生(410人)と、就活を経験した大学4年生(399人)、および企業の採用に関わった経験のある社会人(203人)を対象に、2016年12月にインターネット調査で行った。
大学1~3年生に「PCを持っていますか」を聞いたところ、「自分専用のデスクトップPCを持っている」、「自分専用のノートPCを持っている」、「家族共有のデスクトップPCを持っている」、「家族共有のノートPCを持っている」のいずれかを回答した人は92.7%に上った。
就職活動経験のある大学4年生に同様の質問をすると、95.4%がいずれかの形で持っていると回答した。「自分専用のPC(デスクトップ、ノート)」を持っている学生に至っては、大学1年~3年では71%、4年生では80.3%と、ほとんどの学生が自分専用のPCを持っていることになる。
続いて「PCスキル(word、excel、powerpointなどの資料作成スキル)」に対する意識を調査すると、大学1年~3年の96.8%、4年生の95.6%が「PCスキルの必要性を感じている」と回答している。その反面、スキルに自信があると回答した人は大学1年~3年では24.4%、4年生では29.2%と、ほとんどの学生がPCスキルに自信がないという現状が明らかとなった。
そうした状況は採用側も感じている。「新入社員にPCスキルの不足を感じるか」と聞くと、57.2%が「スキル不足を感じる」と回答している。新入社員のPCに関するエピソードとして、
「マウス操作も分からない新人がいた」
「マウスではなく、画面をタッチするとカーソルが動くと思いこんでいる」
などが挙がる。スマホとPCの使い方を混同する人も一定数いるようだが、PCスキルの低下を危惧する声はあるが、それは本当のようだ。
使用時間や持ち歩き回数が多いほど、スキルに対して自信を持つ傾向
大学1年~3年生と、就職活動を経験した4年生のPCスキルと普段のPCの利用時間を調査すると、使用時間が長くなるにつれてスキルの自信度が高まる傾向が明らかとなった。PCの持ち歩きの頻度とPCスキルの自信についての調査でも、持ち運びの時間が長い学生ほど、PCスキルに自信を持つ傾向が強いことが示されていた。
PCを週に複数回持ち歩く理由としては、「大学の講義やサークル活動で使う」「就職活動のメールや課題をする」「外でも資料作成や課題や、論文作成を行う」などが挙がっている。学生時代からネットやパソコンがある環境にいる人をデジタルネイティブと呼ぶが、だからといってPCスキルが自然とつく訳ではない。普段から目的を持って積極的にPCを使ってはじめて、スキルに対して自然と自信が出てくるのだろう。
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