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てるみクラブ内定者を歓迎する企業続々 無条件で受け入れ、競合他社も積極採用

旅行会社てるみくらぶの破産に伴い、約50人の新卒者が内定取消しに遭う中、受け入れを表明する企業が続々と出てきている。キャリコネニュースでは、各社に詳細を取材した。

在籍社員に転職支度金20万円を支給する企業も

捨てる神あれば拾う神あり。どうか諦めずにアタックを。

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てるみくらぶと同じ旅行業界のアドベンチャーは3月29日に受け入れを発表。同社の広報担当者は、今回の対応について「社会貢献の一環」と話す。

「ちょうど今月半ばから中途とアルバイトの採用を始めていたので、受け入れ態勢が整っており、タイミングが良かったこともあります。面談を実施し、弊社でやりたいことを確認してからの採用になる予定です」

旅行の手配や発券業務を行う「オペレーター」への配属を基本とし、「面談で希望を聞き、検討します」と柔軟な対応をする計画だという。現在のところ期限は設けず、応募があればその都度対応する予定だ。

また、現時点でてるみくらぶに在籍している従業員に関しても、移籍希望者には全員に面談を実施する。てるみくらぶでは今後、未払い賃金が支払われるかは不透明だが、アドベンチャーでは移籍が確定したら、転職支度金として一人当たり20万円を支給することも決めた。

アディーレ法律事務所では「今後の生活に不安を抱えている内定者のことを考えると、心が痛みます。業界は違いますが、少しでもそうした人の力になれれば」と、異業種ながらも受け入れ実施を決めた。50人全員を無条件で受け入れる。

通常の選考で同社を志望して落ちた人から反感は無いのか聞くと、

「通常の選考の方は勤務開始までに複数会社への応募等が可能であるのに対し、今回の対象はもともと内定をもらっていながらも突然取り消しをされた方ですので、かかるご事情に鑑み、特別な対応を検討させていただいたものです」

と、説明した。法律事務職での採用となり、通常の新卒者と同様に研修を受ける。裁判所や相談者への事務連絡、必要書類の収集や作成など、事務の面から依頼者をサポートする職種だ。4月2日15時まで応募を受け付けるとのこと。

JALFはてるみくらぶ以外で内定取り消しになった学生も受け入れ

宿泊施設活性化機構(JALF)は、当初てるみくらぶの内定取り消し者に限っていた無条件受け入れを、特定の企業を限定するのは合理性が無いと判断し、「内定取り消しに遭った学校卒業生」に変更した。担当者は

「新卒でどこの企業に入ったかは大事なのに、5日前に取り消しなんて、なすすべがなくて可哀そうじゃないですか。我々は過去に、熊本地震でキャンセルが相次いだ宿泊施設に、被災して家を失った方々を受け入れるよう働きかけ、実施に結び付けた実績もあります。公益団体にしかできないことで力になりたいと、今回の対応を決めました」

と経緯を話す。受け入れ条件を広げたことで応募が殺到する危惧は無いのか聞いたところ次のように話していた。

「50人全員が来たら受け入れは無理です。ただ、我々は業界団体、幸か不幸か、宿泊業界は人手が不足しています。多くの応募があれば、必要に応じて宿泊施設に人員を割り振るという方法も可能です」

30日正午の段階では、てるみくらぶの内定者を自称する9人、他の内定取り消し者5人から問い合わせがあった。

なお、同団体の募集要項では、正社員の給与が14万円からとある。最低賃金を下回っているのではないかという指摘には、「7時間勤務を基本としているので、最低賃金は上回っています」と回答した。

「通常だと、面談などで応募者を検討してからの採用になりますが、今回は事情が特殊です。まずは採用が先です」

応募締めきりは3月31日の午後11時59分まで。てるみくらぶの新卒問題に関しては、他にも警備会社のJSSなどが受け入れに手を挙げている。

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