35歳以上の「ミドル」の採用、過去3年で37%増加 「専門性」や「マネジメント力」に期待
エン・ジャパンが運営する「エン・人事のミカタ」は8月22日、「ミドル人材の採用」についてのアンケート調査結果を発表した。ミドル人材とは、35歳から55歳までの層を指す。
調査は今年6月28日~7月25日の間、同サイトを利用する企業を対象に実施。537社から回答を得た。
転職後は7割が「役職なし」からスタート
「直近3年以内にミドル人材を採用したか」聞くと、「はい」と答えた企業は79%に上った。採用実績のある企業に、3年前と比べて採用数に変化があったか聞いたところ、そのうち37%で「採用数が増加した」と答えた。
採用職種は、「営業系(営業、MR、人材コーディネーター他)」(40%)、「企画職(経営企画、広報、人事、事務他)」(22%)、「技術系(IT・Web・ゲーム・通信」(20%)が多い。
採用後の役職を複数回答で聞いたところ、最多は「役職なし」の72%だった。「チームリーダークラス」(31%)、「課長クラス」(23%)、「部長・次長クラス」(12%)を大きく引き離している。年齢が高いミドル人材は転職前に役職に就いていた可能性が高いが、転職後、新たな環境に移ってからは、役職なしからスタートするケースが多いようだ。
「高齢化に伴い、ある程度年齢がいった方をうまく活用することは、今後より重要になる」
ミドル人材の採用に積極的になる背景には、「若手人材が採用できず、年齢を引き上げて人員を確保するため」(37%)、「業務改善や、社内体制の再構築」(26%)、「マネジメント人材の不足を埋める」(24%)などの理由があるようだ。
「採用するミドル人材に求めるもの」で、「専門性」(59%)、「自社にない能力・経験」(48%)に次いで「マネジメント力」(36%)が上位に来ていることからも、企業はミドル層のマネジメント力に大きく期待をかけていることが伺える。
今後のミドル人材の採用に関しては、86%の企業が「採用したい」と回答していた。「優秀であれば年齢は関係ない」(57%)、「豊富な経験を必要とする仕事だから」(44%)、「専門性が高い仕事だから」(43%)などが主な理由だ。「高齢化に伴い、ある程度年齢がいった方をうまく活用することは、今後より重要になる」と、ミドル層の採用を戦略のひとつと考えている企業もあるようだ。
「採用したくない」と答えた10%の企業にその理由を聞くと、「自分のやり方、これまでのやり方に固執する」(65%)が最も高く、
「前職での実績や経験値が高いほど伸びしろが少ない。入社後に期待していたほどの実績を上げてもらえなかったときに、教育訓練などでの成長が若手ほど見込めない」
と、年齢が高いミドル人材ならではのリスクを懸念していた。
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