アルバイトが上司への信頼感を失うとき 1位「人によって違った対応をする」、2位「言うことと行うことが一致していない」
人材情報サービスを提供するアイデムは9月21日、「平成29年版 パートタイマー白書」の結果を発表した。
同白書は、6月にパート・アルバイトに直接指揮命令している正社員1644人を対象に実施した「雇用に関するアンケート」と、同月にパート・アルバイトとして働いている18~59歳までの男女1648人を対象に実施した「働き方に関するアンケート」の調査結果をもとに作成した。
パート・アルバイトに直接指揮命令する正社員に「信頼されていると思うか」を聞いたところ、「信頼されている」(13.4%)と「どちらかと言えば信頼されている」(76.3%)を合計すると、89.7%が「信頼されている」と回答している。
正社員からは「若者も中高年も指導が大変」と嘆く声も
正社員に「言動や振る舞いで心がけていること」を聞くと、「業務における指示や判断を的確に行う」(62.8%)と「誰にでも分け隔てのない対応をする」(61.4%)が上位で拮抗する結果となった。
次いで「必要なときに助言や手助けをする」(51.6%)、「挨拶や会話など、日頃からコミュニケーションを積極的にとる」(45.0%)、「相談ごとなどの話を真剣に聞く」(43.7%)が続く。中には「約束したことを守る」(43.1%)、「どんなことでも誠実に対処する」(41.4%)というものもあった。
85.7%が「パート・アルバイトを褒めている方だ」と回答しているが、3割は「叱ることができていない」と回答している。
その理由として「モチベーションが下がる(かもしれない)から」(37.0%)が最も多く、以降「叱ることが面倒だから」(12.5%)、「叱った本人から嫌われる(かもしれないから)」(12.3%)と続く。中には、
「若い世代のパート達の社会的モラルが低いので、教育するのが大変。あまり叱りすぎても辞めてしまうし、褒めすぎても調子にのって仕事をしない」(その他サービス業)
「パートは中高年がほとんど。気が強く、注意すると不機嫌になったり、逆にこちらの文句を他の人に言って悪者扱いされてしまうので、注意するときは相手の意見を聞いて、共感してから優しい言葉で注意するようにしている」(医療・福祉業)
などという声もあり、「仕事に対するやる気が人によって違うため、注意の仕方に迷うことがある」と悩んでいる人も多いようだ。
30代女性「皆の前で叱るのはやめていただきたい」
一方、パート・アルバイトに「職場の上司に信頼感を持っているか」を聞くと、「持っている」(16.7%)と「どちらかと言えば持っている」(49.0%)の合計が65.7%となった。。信頼しているとする回答は「学生」は75.6%と最も高いが、「一般」は56.4%と大きな開きがある。
どのようなことから上司への信頼感が失われるかを聞くと、「人によって違った対応をする」で59.3%と最多。以降「言うことと行うことが一致していない」(57.0%)、「業務における指示や判断が的確ではない」(49.2%)、「問題があっても切実に対処しない」(46.2%)、「自分が不利になると部下をかばってくれない」(41.3%)、「約束したことを守ってくれない」(41.1%)と続く。
上司から叱られたことがあるかと聞くと、44.3%が叱られたことがある回答している。うち26.3%は叱られた理由について「納得できることが多い」というが、ある30代女性からは、「皆の前で叱るのはやめていただきたい」という声もあがっている。
両者に意志の疎通ができているかを聞くと、正社員は「できている」の合計が90.2%、パート・アルバイト側は69.9%。決して低くはない数値だが、正社員とパート・アルバイト側には溝があることは否めないのではないだろうか。
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