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eスポーツは日本で普及するのか 米国なら優勝賞金10億円でも日本では10万円が限度

まだまだ知名度が低いeスポーツ

まだまだ知名度が低いeスポーツ

eスポーツとは「エレクトロニック・スポーツ」の略で、TVゲームやパソコンゲームのうち、対戦型のゲームで、プレーヤー同士が争う様子をスポーツ競技に見立てたものだ。人気格闘ゲーム「ストリートファイターシリーズ」のように1対1で競うものもあれば、「バトルフィールドシリーズ」というシューティングゲームのように、チーム戦という形をとるものもある。一重にeスポーツといっても、陸上や水泳のような個人競技と、野球やサッカーのような団体競技に分かれるのだ。

ゲームのジャンルとしても多岐にわたり、格闘ゲームやシューティングゲーム以外にも、例えば「ファイアーエムブレム」や「信長の野望」のような、戦略ゲームもeスポーツとして盛んに競われている。

そんなeスポーツだが、既に2022年の中国・杭州で開かれるアジア競技大会では、正式なメダル競技種目になることが今年4月に決定している。具体的なゲームタイトル名などは未定だが、eスポーツが競技として認められた形だ。この動きを受けて、早ければ2024年のパリ五輪や、2028年のロサンゼルス五輪でも、eスポーツが正式種目化するのではと言われている。

こうした世界的な流れを受けて、ゲームショウが開幕する直前の19日、国内のeスポーツ5団体が統合するという発表があった。国内のeスポーツ団体を1つに集約させることで、プロライセンスを制度化し、eスポーツ選手の地位向上と、日本や海外で活躍できる環境を整備する狙いがある。さらに、将来のオリンピック正式種目化を見据え、日本オリンピック委員会(JOC)への加盟を目指す。

日本は、競技人口や観戦人口の面でも海外に遅れている

だが、日本でのeスポーツの取り組みは、欧米だけでなく、特に競技者の面では中国・韓国にすら大きく遅れをとっている。わかりやすい例が、大会の賞金額の違いだ。2016年にアメリカのシアトルで開かれた、「Dota2」という戦略ゲームの大会では、優勝賞金は約10億円、賞金総額は約23億円にのぼった。この金額は、ゴルフの全米オープンの賞金総額である約13億4300万円を大きく上回っている。アメリカでは、賞金額の上では、eスポーツはメジャースポーツへの仲間入りをすっかり果たしている。

だが、そんなeスポーツも、日本で大会を開くと賞金の上限が10万円になってしまう。景品表示法によってその上限が10万円と定められているためだ。日本で高額賞金のゲームを開こうとすると、法律の問題が立ち塞がる格好だ。

さらに、海外ではeスポーツの競技用ソフトとして名高いタイトルでも、国内では全くの無名のものがあるという問題もある。先に挙げた「Dota2」を知っていて、なおかつプレイしている日本人がどれだけいるか。こうした競技人口の面を考えると、国内にeスポーツが普及するのはまだまだ先というのが現状だ。

国内のeスポーツ5団体が1つになったことは前進には繋がるが、その道のりははるかに遠い。今回の東京ゲームショウではトップダウン的にeスポーツを多くの人に知らしめようとしているが、問題は競技人口や観戦人口をどう増やしていくのかというボトムアップの部分にもある。こうした土台作りをどう展開していくかが今後の課題だろう。

ウォーゲーミング社のブース

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