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ゼネラルパートナーズが「障害者アスリート支援事業」に乗り出す 進藤社長は「スポーツには世の中を変える力がある」と意欲見せる

障害者の総合就職・転職サービスを提供するゼネラルパートナーズが、この10月から障害者アスリート支援事業に乗り出している。法改正の動きと東京パラリンピックへの取り組みを追い風に、企業の障害者採用を促進させる。

同社で事業を企画したのは、入社2年目の男性社員(提案当時)。社内の新規事業コンテストで「障害者アスリートのキャリアとセカンドキャリアを支援する」事業を提案し、審査を通過。現在は企業向けメニューに磨きをかけている。

スポンサーではなく「雇用契約」による支援を企業に提案

ゼネラルパートナーズの進藤社長

ゼネラルパートナーズの進藤社長

今年8月に開催されたリオデジャネイロ・オリンピックにおける日本選手団の活躍は記憶に新しい。メダル獲得ランキングでは世界6位に輝いている。その一方で、パラリンピックのメダル獲得ランキングは世界64位。金メダルがゼロだったことが響いたものだが、ここまで差がついている国はない。

ゼネラルパートナーズによると、これまで日本の障害者アスリートは、国際的に上位の成績をあげても厳しい環境の中で競技を続けなければならなかったという。練習に専念したいが、収入がなくなれば競技が続けられなくなる。仕事が忙しくなれば競技どころではなくなるジレンマだ。

人気種目でメダルを獲得するアスリートでなければ支援を得ることが難しく、競技の続行が難しくなる――。そんな中、同社代表取締役社長の進藤均氏は、支援事業の第一歩として「アスリートが強くなる環境づくり」を目指す。

「これからの若い選手が、練習と仕事を両立しながら上を目指せる環境を作ることが大切です。そのためには企業の理解の下、練習をする場所や時間の確保、休みの調整や費用面での支援が求められます」

進藤氏はさらに、アスリートが安心して競技に取り組むためには、現在のキャリアアップとともに「引退後の雇用機会の確保」が必要と指摘。企業が障害者アスリートを雇用することで法定雇用率を達成しつつ、競技をしながら仕事を行うアスリート人材を確保できるとする。競技引退後に、引き続き仕事をしてもらう可能性もある。

障害者スポーツへの注目度は高まっている

アスリートとの契約も「スポンサー」としてではなく、他の従業員と同様の雇用契約なので、シンプルで金額も比較的リーズナブルだ。ダイバーシティ経営を進める企業にとっては、社内に障害への理解を広めたり、社員の社会貢献意識を高めたりする効果も見込まれる。

社会情勢も、障害者アスリートへの追い風となっている。2018年には障害者雇用率の計算式に精神障害者が加わり、結果的に雇用率が現在の2.0%から更に引き上げられる見込みだ。コンプライアンス意識の高まりから、よい人材を集めたい企業間で獲得競争が起きる可能性もある。

障害者スポーツへの注目度は高まっている(日本ブラインドサッカー協会提供)

障害者スポーツへの注目度は高まっている(日本ブラインドサッカー協会提供)

パラリンピックへの注目度も、ここ数年でかつてないほど高まっている。小池都知事も「パラリンピックの成功なくして、オリンピックの成功はない。まだ知られていない競技も多いので、いろんな競技に触れて興味・関心を持ってほしい」とコメントしている。

リオ五輪以降、国や地方自治体、企業、団体から、障害者スポーツへ支援が集まりつつあるようだ。日本障がい者スポーツ協会にはすでに数十社のスポンサーが集まり、2015年5月には日本財団がパラリンピックサポートセンターを立ち上げ、25の競技団体に共同オフィスを無償で提供し始めた。

「選手とファンとお金を持続的に回転させることが必要」

進藤社長は、このチャンスをうまく活かしつつ、一過性ではない持続的支援として定着させるためには、選手層を厚くしてファンを増やすことが重要と指摘。そのためには「選手とファンとお金を、持続的に回転させることが必要」と強調する。アスリートの雇用を通じた企業の協力は欠かせない。

「かつて企業は、メダル候補の応援を通じて自社をPRすることにしか価値を見出していませんでした。『外で練習してくれるから、マネジメントが要らなくて楽』と後ろ向きの理由を明かす企業も多かった。でも私たちは『スポーツには世の中を変える力がある』と信じている。このサービスを通じて、障害の有無関係なく、希望を抱いた子どもたちが将来の夢を力強く語り出す世の中にしたいと思っています」

リオ・パラリンピックの代表選手は年齢層が高く、このうち何人が東京パラリンピックまで活躍できるか分からない。4年後を見据えると新しい選手育成のために、アスリートの競技環境の改善は急務だ。

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