飲食店の外国人採用、5割で実施 人手不足解消に加え「他スタッフの刺激」「リピーターをつけやすい」などのメリット実感
飲食店に特化したリサーチサービスを提供するシンクロ・フードは1月19日、飲食店の外国人スタッフ採用に関する調査を発表した。調査対象は、情報サイト「飲食店ドットコム」会員の飲食店経営者・運営者158人で、回答者のうち、東京にある飲食店が62%、首都圏の飲食店は76.5%を占める。回答者の経営店舗数で最も多いのは「1店舗のみ」。
外国人スタッフを雇ったことのある飲食店は48.7%で、採用経験の有無は二分する結果となった。
採用経験ない店舗は「外国人採用の条件や手続きが分からない」と事務レベルで課題抱える
外国人スタッフを雇ったことのある飲食店にその理由を聞くと、最も多かったのは「外国人と日本人を区別していない」(48.1%)というものだが、2位の「日本人のスタッフが採用し辛いから」(44.2%)も競っていた。
他には「その国の料理を出す店だから」(11.7%)と、店の雰囲気づくりを目的とした採用もあるようだ。外国人スタッフを雇ったことで、
「出身の国の地方郷土料理など、日本で知り得る現地の料理イメージとは異なる物などを知ることが出来たのは他のスタッフの刺激になった」(神奈川県/アジア料理)
「海外からのお客様が多いのでコミュニケーションがすぐ取れて、細かいサービスの提供やご要望に答えることが可能。日本人スタッフも海外のお客様への対応が学ぶことができる。コミュニケーション能力が豊富なため、リピーターのお客様をつけやすい」(東京都/居酒屋・ダイニングバー)
と、人手不足解消以外のメリットも生まれた店もあった。ただ、採用後に
「外国人はキッチンでの採用を行いました。留学ビザでの勤務時間制限を守ってもらうことを、各店長に徹底することが最初苦労しました」(東京都/焼肉)
「文化の違いや言葉のニュアンスの違いに苦労しました」(茨城県/テイクアウト)
など、外国人採用ならではの難しさを感じたという声もあった。
「雇ったことがない」と答えた飲食店は、「外国人を採用する機会がたまたまなかった」(56.8%)以外の理由に、採用における様々な不安を上げていた。不安の中では「外国人採用における条件や手続きが分からない」(43.2%)と、就労手続きに関するものが最も多く、「日本語でのコミュニケーションが不安」(42%)、「勤務態度や仕事のモチベーションが不安」(32.1%)など、実際に働く上での不安を上回っていた。