“ぼっち”を実感する瞬間 「2~3羽で群れてるカラスが羨ましい」「同窓会の作り話を美容師にした時」
望んでそうなっているのか、望んでいないのに自然とそうなっているのか2パターンありそうだが、「私、『ぼっち』なんです」という人(特にネット上で)が増加している感のある近頃。
先日のガールズちゃんねるにも「『ぼっちだな~私・・・』と思う瞬間」というトピックが立つと、多くのコメントが集まっていた。
トピ主は職場で「誰とも距離は取ってないし、色んな人とも会話はするし、笑い合うこともあるんだけど」と説明した上で、
「集会など職場行事で集合する時、皆それぞれ仲の良い人と歩いているのに、私は1人で集合場所へ向かってる時に『私って、ぼっちなんだな…』と実感する」
と書き込んでいる。学校のクラスでいうと、普段はクラスメイトとわりと和気あいあいと話しているのに、いざ二人組になれと言われた時に余ってしまう人、というところか。(文:みゆくらけん)
「飲み会で盛り上がってる輪から離れた所でひたすら食べてる時」
このトピ主の投稿に負けず劣らず「私もこんなにぼっちだよ」というコメントが相次いでいる。「ラインは公式のみ」「リアルにアドレス帳家族だけ」「職場でのアダ名が、コミュ障の変人」など、「いかに自分はぼっちか」をアピールする大会のノリで殺到している。
「ぼっちを実感する瞬間」としてはこんな声も上がっている。
「飲み会で盛り上がってる輪から離れた所でひたすら食べてる時」
「あーこれ食べに行きたい!と思っても誘う人がいない時」
「公園のカラスが2、3匹で群れてるのを見て、羨ましかった」
カラスにさえジェラるとは切ない・・・。他にもエピソードは多数上がっていたが、特に強烈なインパクトがあったのは、美容院に行って会話を振られた時に作り話をしているという人のコメントだ。本当は「一度もお知らせ届いたことない」という同窓会について、彼女は自ら美容師にこう伝えたという。
「久しぶりに会うと学生時代はギャルだったのにコンサバ系になってたり、当時は大人しそうだったのに20代前半で3児の母とかいるしー(笑)」
「アラサー過ぎると一気に恰幅よくなる男ども(笑)。そして頭もハゲ散らかしてる(笑)ウケますよねー(笑)」
行ってもいない同窓会ネタを、美容師相手にここまで作り話せるなんてある意味凄い。自意識過剰から生まれた才能すら感じるが、「……ねぇ、私寂しすぎない??」というコメントでシメているあたり、本人としては笑いにしきれていないのだろう。
今は人生で孤独を味わい尽くす時期なのだと割り切ってみては
自分のぼっち具合を晒して共感し合いたい。「私だけがぼっちではないんだ」と安心したい。そんなふうに思う人が集ったトピックであったが、内容はなかなか切なく「一人は楽だけどやっぱり寂しくてたまらない」「ぼっちの集まり『ぼっち会』なんてのがあればいいのになぁ」などというコメントも目立っていた。
自称ぼっちの人になんとなく共通するのは「普通より受け身な人が多い」という印象だ。コメントでも「ご飯に誘われない」「話しかけてもらえない」「誕生日に誰からもメッセージがこない」などというものが多い。また、「自分からいけない」というプライドの高さや「傷つくのが怖い」という繊細さを抱える人も多いかもしれない。そんな人たちに、「勇気を出して自分から話しかけて」などと伝えても「それができたら苦労してないよ」となるのがオチだ。
だったらいっそのこと、今は人生で孤独を味わい尽くす時期なのだと割り切ってみるのはどうだろう。ぼっちをとことん体感して、その快適さも孤独のキツさも知り尽くす期間。ひとりの寂しさを知ったからこそ、誰かといる時間を大切に思えるようになる。いつかのためのちょっと切ない充電タイムとして捉えられたら、未来の希望に繋がって、それはそれで良いのではないだろうか。