「不登校の生徒を元の学校に戻す」 教育支援団体に批判殺到「ふざけるな。戻すな」
そして、不登校はそのままひきこもりにつながると警鐘をならす。就職希望者を除く無職者数は57万人に上るが、無職者になったきっかけで最も多いのが「職場になじめなかった」(18.4%)と「不登校」(同じく18.4%)だ。
先月発足した同プロジェクトはこうした問題の解決に取り組むため、オンラインでの学習やホームルーム活動を提供していくという。その際、企業研修や人材育成の分野で活動している原田隆史さんの「原田メソッド」を活用する。
しかしこれでは不登校になった生徒たちに向き合って彼らが自分らしい人生を歩めるよう支援する、というよりも、労働力人口の減少に対応するため不登校の生徒をきちんと働けるようにしたいだけという印象を受ける。
さらに多くの人が批判しているのが、このプロジェクトの「通学していた学校に戻す」という目標だ。精神科医の斉藤環さんは3月7日、
「不登校が日本経済の衰退につながる?再登校がゴール?原田メソッド?なにひとつ賛同できない。不登校は病気じゃないとはいえ、思春期心性への配慮がまるで感じられないこのプロジェクトに強い戸惑いを禁じえません」
とツイートしている。ウェブメディア「メンヘラ.jp」の編集長・わかり手さんも同日、「通学していた学校に戻す」というミッションについて、「ふざけるな。戻すな」とツイッターで怒りを顕にしていた。
「学校復帰だけが唯一の不登校対策だとは決して考えておりません」と釈明
こうした批判を受けてか、同プロジェクトは3月7日、「クラスジャパンミッションに関しての真意」という文書を公式サイトに掲載し、次のように釈明している。
「当財団法人ホームページのミッションに記載しております『日本全国の不登校者全員の教育に取り組み、通学していた学校に戻す』この表現が、我々の真意でない意味で受けとめられたところがございます」
「物理的な学校復帰だけが唯一の不登校対策だとは決して考えておりません」
「通学していた学校に戻す」と表現したものの、学校復帰だけが解決策ではないというのだ。
こうした中、同プロジェクトの理事で、NPO法人D×Pの代表・今井紀明さんまでもが8日、「これまでのクラスジャパンでのミッションは僕にとって到底受け入れられるものではない。しかも、それを知らされないまま自分で気がついたのが4~5日前」とツイートしている。理事として名前を連ねる今井さんですら知らないまま、先のミッションが掲げられていたようだ。
「通学していた学校に戻す」というミッションがなぜ掲げられたのか、どういった経緯で文言が削除されたのか、キャリコネニュースでは、同プロジェクトに取材を申し込んでいる。