飲食店経営者も迷う「お通し文化」 「経営上必要」「好きなものを好きなだけ食べてもらえればそれで良い」
お通しを提供している店舗を対象に、お通しの代金を聞いた。最も多かったのは「300円台」(48.3%)という回答だったが、「1000円以上」(11.8%)という回答も次いで多かった。
次に、お通しを提供する上で気を付けている事を複数回答で聞いた。「お通しの質にこだわっている」(52.9%)、「定期的なメニュー変更を行っている」(51.7%)と、利用客に飽きられない工夫をしているところが多いようだ。他にも「『お通しカット」を可能にしている」(31%)、「お通しの説明を目立つ場所に明記している」(24.1%)など、お通し提供にあたり客の同意を得るようにしている店もある。
外国人への提供については、
「外国人観光客のお客様へのお通しは出していません。なかなか、オーダーしていない料理を提供しても理解してもらうのは難しいです」(愛知県/居酒屋・ダイニングバー/3~5店舗)
「日本語メニューには載せていませんが、英語メニューには『appetizer for everyone』と表記し金額500円としています」(東京都/和食/2店舗)
など、姿勢が分かれた。
「無料で『どうぞ』のほうが後々リピーターになるような気がする」という声も
そもそも、お通し代やサービス料などについて飲食店の経営者らはどう考えているのか、自由記述で意見を募った。お通し代は「いらない、取らない」という人からは
「無料で『どうぞ』の方が、後々、リピーターになるような気がするので、お通し代は頂いてないです」(東京都/専門料理/1店舗)
「好きなものを好きなだけ食べていただければそれで良いと思います」(東京都/イタリア料理/2店舗)
という意見が出ていた。一方で、お通し文化もお通し代も「必要」と答えた人からは
「客単価を上げるには仕方ない。お通し代を貰うからには、満足してもらえる様なお通しにしている。例えば、好きなお通しが2品選べるとか」(東京都/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)
と、経営上必須だという声もあった。