RADWIMPSの新曲の歌詞が「軍歌っぽい」と物議 「日出づる国の御名の下に」「気高きこの御国の御霊」
人気ロックバンドRADWIMPSの新曲の歌詞が物議を醸している。同バンドは6月6日、ニューシングル「カタルシスト」を発売。カップリング曲の「HINOMARU」の歌詞には愛国的なワードが散りばめられ、ネットでは「軍歌」と揶揄する声が相次いでいる。
同曲の歌詞は、「風にたなびくあの旗に 古(いにしえ)よりはためく旗に」と日本の国旗を描写するところから始まる。
「七十数年前にこういう歌詞の曲が乱発された結果とんでもない数の人が死んだ」
「意味もなく懐かしくなり こみ上げるこの気持ちはなに
胸に手をあて見上げれば 高鳴る血潮、誇り高く
この身体に流れゆくは 気高きこの御国の御霊
さぁいざゆかん 日出づる国の御名の下に」
日の丸を見上げて気勢を揚げ、「いざゆかん」と呼びかける内容になっている。この歌詞を書いたボーカルの野田洋次郎さん(32)は6月6日、インスタグラムでこう説明していた。
「日本に生まれた人間として、いつかちゃんと歌にしたいと思っていました。(中略)僕はだからこそ純粋に何の思想的な意味も、右も左もなく、この国のことを歌いたいと思いました。自分が生まれた国をちゃんと好きでいたいと思っています。好きと言える自分でいたいし、言える国であってほしい」
野田さんはあくまでも純粋に「自分が生まれた国」のことを歌いたかったという。しかしネットでは、「軍歌かよ」と批判的な声が相次いでいる。
「この国を愛しているという気持ちの表明に『血潮』や『御霊』という語句を選ぶ感性。こうした言葉が戦争中どんなシチュエーションで用いられたか知らないのか」
自国が好きだと歌うのに果たして適切な歌詞だと言えるのか、もう少し別の言葉を選んでもよかったのではないか、ということのようだ。また、野田さん本人にそのつもりがなくても、戦争への下地を作ってしまうのではないかという意見も出ていた。
「七十数年前にこういう歌詞の曲が乱発された結果とんでもない数の人が死んだ歴史自体は常に忘れないようにしとかなきゃ」
今年4月には「ゆず」の新曲もやたら愛国的だと物議醸す
似たようなケースとしては今年4月、人気デュオ「ゆず」がアルバム「BIG YELL」を発売した時も批判が相次いだ。収録曲の「ガイコクジンノトモダチ」の歌詞が問題視されたのだ。
この曲では「この国で泣いて 笑い 怒り 喜ぶ なのに国歌はこっそり唄わなくちゃね」「なのに国旗はタンスの奥にしまいましょう」といった歌詞がある。堂々と国歌を歌ったり、国旗を掲揚できないのはおかしいと言いたいようだ。
しかし映画評論家の智浩氏は「『国歌はこっそり歌わなくちゃ』なんて、どっかの国に占領されたレジスタンスか? 現実は、君が代に起立しない教師は減給されるのに」と指摘していた。
HINOMARUをファンが感動して絶賛しているツイートを見てぞっとしたり。この国を愛しているという気持ちの表明に「血潮」や「御霊」という語句を選ぶ感性。こうした言葉が戦争中どんなシチュエーションで用いられたか知らないのか。
— よしみっさん (@ladybirdkitchen) 2018年6月8日
RADWIMPSのHINOMARU
RADとしての曲の評価はほかの賢い人に任せるとして、
七十数年前にこういう歌詞の曲が乱発された結果とんでもない数の人が死んだ歴史自体は常に忘れないようにしとかなきゃと思いました。少なくとも「国歌に!」言っちゃいけない。
— ひずみハリネズミ (@bgzzz12) 2018年6月8日
「国歌はこっそり歌わなくちゃ」なんて、どっかの国に占領されたレジスタンスか? 現実は、君が代に起立しない教師は減給されるのに。 https://t.co/DQcKsdgPNC
— 町山智浩 (@TomoMachi) 2018年4月8日