民泊大量キャンセルの経緯を問われたエアビー 質問さえぎり「将来のわくわく感を語りたい」に批判相次ぐ | キャリコネニュース - Page 2
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民泊大量キャンセルの経緯を問われたエアビー 質問さえぎり「将来のわくわく感を語りたい」に批判相次ぐ

「エアビーショック」に揺れる

「エアビーショック」に揺れる

15日から施行された「住宅宿泊事業法」(民泊新法)に先立ち、観光庁は1日、仲介業者に「違法物件の予約取り消しを推奨」する通達を行った。これを受け8日、エアビーアンドビーは無届け物件をキャンセルする措置をとったが、利用客に大きな混乱を招いてしまった。

12日に家族で来日したオーストラリア人観光客は、出発の前日にキャンセルのメールを受け取ったという。

「15日以降の予約は2日前にキャンセルされた。日本に来る直前だった。(中略)最初の宿も時間をかけて探したのに、また一から家族で泊まれる別の宿を探すのはストレスだった」

と憤る。民泊ホストを副業にしている板橋区の男性も、会社を休んで急ピッチで届け出するなど対応に追われていた。

エアビーアンドビーは、共同創業者兼CEOのネイサン・ブレチャージク氏が来日し、14日に都内で記者会見を開いたが、この件に関する釈明ではなかった。民泊新法施行をきっかけに日本企業36社と提携するとの発表会だった。

番組解説キャスターの山川龍雄氏は、ネイサン・ブレチャージクCEOに個別にインタビューし、「直前の予約取り消しを決めたのはあなたですか」と質問したが、CEOは

「現地の事情が複雑であるため日本にチームを置いている」
「政府の要望に応えつつ、ゲストやホストに対応できるよう多くの人が関わってきた」

と答えるに留まった。

謝罪や弁明ではなく今後の事業展開のプロモーションをしたい模様

山川氏はさらに、日本法人代表の田邉泰之氏にも直接質問。「もっと早い段階でキャンセルできなかったのは何故ですか」と問うと、田邉代表は「そこはですね、いろいろな発言はわれわれの担当部署、担当役員からお話させていただいているので」として、

「私から今日、お話させていただきたいのは将来のわくわく感のところでございまして」

と話を遮った。どうやら、謝罪や弁明ではなく今後の事業展開のプロモーションをしたかったようだ。

しかし山川氏は食い下がり、「担当者ではなく社長の口からその話を聞かないと、なかなか…」などと2回問い直したが、田邉代表は「いや、そこはもちろん分かるんですけど、今このタイミングでは…」と2回とも質問を遮り、疑問に対する明確な回答はなかった。ただ、エアビーアンドビーでは、「既に入っている予約については問題ではない」という認識でいたという。

しかし、観光庁の言い分は違った。観光庁の担当課長は、

「違法な物件の予約だけでなく、関連する便宜供与(仲介など)に関しても禁止されています。予約が6月15日以前であっても、宿泊が6月15日以降であれば、そこは違反になってしまわざるを得ない」

と話す。それはそうだろう。違法な宿泊でも「施行前の予約だから」と、いつまででも言い訳できればキリがない。観光庁は、施行日が近づいても予約を受け続ける仲介業者に釘を刺した形だ。ネットでは、「これだけ騒動起こして何がワクワク感だ」など、多くの批判や疑問の声が上がっていた。

エアビーアンドビーは、公式サイトでは予約取り消しになった宿泊代金の保証など、対応措置についてきちんと説明している。費用は11億円投じるそうだ。まずそれを代表が話して釈明すれば、批判は避けられたかもしれない。だが同サイトでは、観光庁の1日の通達は「驚きでした」と、暗に自社の非を認めない言い方もしている。

「エアビーショック」とも呼ばれる今回の騒動。インタビューした山川氏が、「(CEOの)記者会見に関しても質疑がなし。ちょっと残念な対応でしたね」と感想を述べると、大江麻里子キャスターも「将来のわくわく感のためにも、今ちゃんとした説明をしていただきたかったですね」とコメントしていた。

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