郡山市長の「たばこは薬物」発言が波紋呼ぶ 禁煙学会は「当然の発言」と擁護
しかし市長の発言を擁護する声も多い。ネットでは「ニコチンは依存性薬物ですよ」「実際薬物でしょう?百害あって一利なし」といった意見が噴出。”薬物”という表現は聞こえが悪いが、依存性があって健康にも悪いため、薬物に他ならないと考える人が多いようだ。
日本禁煙学会も同様の立場だ。同会の広報担当者は、キャリコネニュースに対して、「たばこが薬物だというのは当然のことだ」と話した。
「世界保健機関(WHO)は、たばこが依存性のある薬物であると認めており、ドラッグ等と一緒に『サブスタンス』と称しています。たばこ会社は『嗜好品』と言いますが、『嗜癖品』と言うべきです。やめることができず、有害なものだからです」
同会は6月26日、「タバコは薬物である」という文書を公式サイトに掲載している。喫煙による死亡者数は年間12~13万人、受動喫煙による死亡者数は年間6800人に上り、「タバコは覚醒剤やアルコールよりも強い依存性をもたらす『薬物』である」とした。
議会紛糾「生産農家さん、嗜好品として吸っている方へ一言お詫びを頂きたい」
品川市長の発言に対しては、郡山市議会の定例会で複数の市議から批判が出ていた。佐藤栄作議員は6月19日、
「郡山市にはたばこ生産農家もいて、それで生計を立ててますよね。それをあたかも覚せい剤と同じような『薬物』というのは、中核市のトップリーダーとしていかがなものか」
と市長を批判。川前光徳議員からも「合法的に認められたたばこを生産農家さんを始め、生産されている方、商売として扱っている方、嗜好品として吸っている方がいる。その方々に対してこんな侮辱はない。この方々へ一言お詫びを頂きたい」と謝罪を求める声が上がっていた。
しかし品川市長は「医師と面談中で(中略)医学的所見に基づいてこのような発言をしたものでございます」と説明し、謝罪には応じなかった。たばこを覚せい剤のような”薬物”と同一視したのではなく、医学的な観点から”薬物”と述べたのだという。