賃貸と持ち家、結局どっちがいいの? 「夫が死んでも住む場所に困らない」「修繕費、固定資産税がネック」「災害が怖い」
マンションと一戸建てどちらがいいかという話ではなく、あくまで住まいを買う理由、買わない理由を聞いています。なお、転勤族や家賃補助、親の支援や土地があるので買わないという理由は除くとしていました。
まず「持ち家派」の意見を見てみると、多かったのが「家賃を老後まで払い続けるのは不安」という声です。家を買う人のほとんどは、こうした考え方でしょう。
「一生家賃を払っていける自信がないから、持ち家を購入しました」
「もらえるかどうかわからない年金から家賃払うなんて、考えるだけで怖い。若い(稼げる)うちに家買って、頑張ってローン返して、老後までにはローン終えて暮らしたい」
さらに目立ったのが女性専用サイトならではの、「夫が死んでも住む場所に困らない」というコメントです。
「旦那が危険な職業だから、万が一の時子供と路頭に迷うのは嫌だから持ち家。 旦那になにかあればローンはなくなるしね…」
これは正確に言うと「旦那が」ではなく、「ローンを借りた人が」ですが、「団体信用生命保険」という制度を指しています。契約者が返済中に死亡、または高度障害状態になった場合、住宅ローンの返済がゼロになるというもの。例外もありますが、ほとんどの住宅ローンで加入が条件になっています。嫌な言い方になりますが、夫婦仲によっては、夫が早くに天に召されるよう願う妻もいることでしょう。
銀行マンは「持ち家はバカバカしくて買えない」と賃貸を推奨
対する賃貸派は、「余計な費用負担」や「地震・災害」を気にする人が多いです。
「修繕費、固定資産税を考えると持ち家に手が出せません」
「生活の拠点としてる場所が南海トラフで危険と言われてる場所なので中々購入に踏み出せない」
いずれはマイホームが欲しいけれど、災害が多発する昨今、「今はまだ賃貸で」となるのも分かります。
また、「いつでも越せる身軽さ」を挙げる人も。
「現在賃貸で住人に悩まされてるから、これが分譲だったらと思うとゾッとするので賃貸派です」
確かにこれは重要事項で、住居は建物だけでなく、周辺環境コミで価値が決まります。「住んでみないと分からない」では不安です。
サラリーマンにお金の啓蒙活動を行なっている現役銀行マンの坂下仁氏は、マイホームはノドから手が出るほど欲しいけれど、「バカバカしくて買えない」といいます。(2015年6月1日初版「とにかく妻を社長にしなさい」坂下仁著/サンマーク出版より)。
上に挙がったような理由や、金利と過剰な設備にムダなお金がかかり過ぎるため、「まだマイホームを買っていない人はグッとこらえて、まずは『借り暮らし』をしましょう」と説いています。加えて、新築信仰は捨てて、リタイア後に中古住宅を求めることを示唆していました。
賃貸は払い損のような気がしてしまうのですが、稼ぎやすく暮らしやすい立地にお金を払うとすれば、持ち家より悪いわけではありません。ただ、「ローンさえ終われば自分のもの」という安心感もあるので悩みは尽きません。
コメントの中には、「人生設計をきちんとしてたら賃貸でも持ち家でも大丈夫。目先の事しか考えてなかったらどっちでも老後苦労するし」という声もあり、確かにその通りです。しかし、計画通りに行くとも限らないのが人生というもの。結局は自分が「どう暮らしていきたいか」と、「実現可能な収入」を秤にかけて考えるしかないのでしょう。