傘のシェアリングサービスが12月から渋谷でスタート! 1日70円、借りた場所とは違う場所で返却可能
カーシェアやシェアサイクリングが広まりつつある中、都内のベンチャー企業Nature Innovation Groupが11月1日、渋谷を中心とした都心部で傘のシェアサービス「アイカサ」を開始すると発表した。
利用者は、「アイカサ」のLINEアカウントに登録後、シェアスポットにある傘を1日70円で借りることができる。何時間使っても料金は変わらない上、24時間以内であれば追加料金を払わずに別の傘を借りることができる。6日目以降は一律で420円となるため、月420円で使い放題になる仕組みだ。
「ロックを解除しなければ傘が開かないため、盗難される恐れは低い」
サービスは12月1週目から開始する。シェアスポットは現在、提携する飲食店や遊休スペースなど40~50か所。2020年までには1000か所以上に拡大する見込みだ。傘の本数も開始時の1000本から3万本にまで増やし、サービスを拡大する。
同社の丸川照司代表(24)は、
「家に傘があるのに、新しく傘を買いたくないという人も多いと思います。我慢して雨に濡れたり、また新しく傘を買ったりせず、アイカサを利用してほしい」
と呼びかける。創業のきっかけは、丸川代表自身が「いちいち傘を買うのは嫌だ」と感じたから。中国にはすでに傘のシェアサービスを提供する会社がいくつもあるが、日本に導入するのは同社が初めてとなる。
盗難防止のため、傘にはそれぞれQRコードが付与されている。それを読み込むと、LINEアカウントで解錠のパスワードが表示される。パスワードの数字でロックを解除しなければ傘を開くことができない。
借りた傘は別の場所で返却することもできるため、雨が降り始めた時に借りて、雨がやんだ時に近くのスポットで返すということも可能だ。返却時には、傘立てにある返却用のQRコードを読み込んで、返却処理を行う。
「ロックを解除しなければ傘が開かないため、盗難される恐れは低いと思います。また利用開始時にクレジットカードを登録していただき、利用料を徴収します。返却されるまで課金が続くわけですから、借りて返さないという人もあまりいないと思っています」
「無駄な傘の消費を減らせば、ゴミを減らすことにもつながります」
ビニール傘が500~700円前後で売っていることを考えると、1回70円という利用料金はかなり安い。丸川代表は「利用のハードルを下げたかった。雨は月に何度か降るため、それに合わせて複数回使うのが当たり前になってほしい」と話す。
開始当初の1000本では利益を上げるのが難しいそうだが、今後シェアスポットと傘の本数を増やし、収益化を見込む。初めは渋谷を中心に都内に設置していくが、いずれは観光地にも広げていく。オフィス向けの置き傘サービスを実施したり、傘に企業の広告を入れたりもするという。
このサービスが広まれば、ゴミを減らし、環境保護にもつながる。丸川代表によると、日本では毎年8000万本の傘が消費されているという。
「毎年8000万本もの傘が購入されていますが、傘を買いたくて買った人がどれだけいるのでしょうか。無駄な傘の消費を減らせば、ゴミを減らすことにもつながります」
丸川代表は「いちいち傘を買いたくないという人はぜひアイカサを利用して下さい」と呼びかけていた。