冬のボーナスが減額される業界1位「広告・出版・マスコミ」 一方で増額1位は「商社」
エンジャパンは12月12日、「2018年 冬の賞与」についての調査結果を発表した。調査は今年10~11月に実施し、同社運営の「人事のミカタ」を利用する、従業員数299人以下の企業451社対象にアンケートを行った。
「昨年よりも増額予定」と答えた企業は31%で、2015年の調査開始以来、初めて3割を超えた。「減額予定」とする企業は10%。「変わらない予定」(59%)が最も多いものの、「増額」は「減額」を4年連続で上回っている。
減額予定の理由「業績不振」が7割 15%以上減額予定の企業も16%
冬の賞与が増額予定と答えた企業の割合が高い業種上位3つには「商社」(40%)、「流通・小売関連」(36%)、「メーカー」(34%)がランクインした。最も低い業種は「不動産・建設関連」「IT・情報処理・インターネット関連」(同21%)だった。
増額率を聞くと「わからない」(30%)を除くと、「1~3%未満」(23%)が最多だが、「15%以上」も8%存在する。増額理由については「業績が好調」(73%)、「社員の意欲向上」(60%)という企業が多かった。また「離職・退職の予防」も17%いた。
一方、減額予定は、「広告・出版・マスコミ関連」が31%で最も多く、「商社」(15%)、「メーカー」(10%)、「サービス業」(8%)が続いた。減額率は「わからない」(45%)を除くと「15%以上」(16%)が最多。理由は「業績不振」が72%となっている。
企業側の賞与に関する悩み「支給額が減るとやる気を大きく損なわれる」
社員への賞与支給に関する悩みを聞くと、1位は「社員への評価・賞与の査定基準への悩み」(46%)だった。企業からは、
「営業以外のスタッフに対する評価基準が明確になっていない」(サービス関連/11~30名)
「平均年齢も少しずつ上がってきて、賞与を生活給と考えている人も多くなってきた。そのため、機械的な評価がしにくい」(メーカー/101~299名)
などの本音が寄せられた。2位は「賞与の支給額による社員モチベーションへの影響」(41%)。「支給額が多少増えてもモチベーションに何も影響がないが、支給額が減るとやる気を大きく損なうものだから」(流通・小売関連/31~50名)という理由が挙がる。
ちなみに景気の上昇や回復については「実感できない」(38%)が「実感している」(28%)を上回った。