飲食店の6割、全面禁煙でも「売上変わらず」 「長居する客が減った」という声も
クックビズは1月24日、飲食店の全面禁煙に関する調査の結果を発表した。全国の飲食関係者213人のうち、飲食店を原則として禁煙とする受動喫煙防止法に賛成する人の割合は49.3%、反対は25.4%だった。
地域ごとに賛成の割合を比較すると、東京では50%、大阪では48%だが、愛知では31.6%にとどまった。また、すでに全席禁煙の飲食店では62.5%が賛成する一方、全席喫煙可の店舗では反対が43.8%で賛成を上回った。
「ランチの時間帯に家族層が多くなったが、客単価が下がった」という店も
禁煙化に賛成する人からは、受動喫煙を防ぎたいという意見が出た。
「受動喫煙や、副流煙による健康被害を少しでも防止できたらと思います。お客様だけでなく、スタッフにも影響があることを痛感しています。頻度は多くないものの、副流煙が原因で退職した従業員も過去にいました」(大阪府/カフェ)
「自分も飲食店内(特にランチタイム)での他人の喫煙や置きたばこによる受動喫煙で、食事が不味く感じられた経験があります」(東京都/寿司)
一方、売上への影響を懸念し、禁煙に反対する声も少なくない。
「ファミリーレストランなどお子様も多く利用されるような店舗、時間帯では実施しても良いとは思うが、居酒屋や夜のお店等でも一律禁煙にしてしまうと喫煙者の足が遠のきそうだと思う」(群馬県/居酒屋)
実際に禁煙化によって売上が減少した店舗は28%あった。「上司が喫煙者だと(全面禁煙店には)入りにくいという声があり、ビジネス客が減った。ランチの時間帯に家族層が多くなったが、客単価が下がった」(大阪府/焼き鳥)という声にあるように、喫煙者が減ると客単価が下がる傾向にあるようだ。
しかし売上に変化がなかった店は60%に上り、逆に売上が増えた店も12%あった。
「喫煙者のお客様は減ったかもしれませんが、煙草が吸えないことにより長居する方は少なくなりました」(東京/アジア・エスニック)
「元々喫煙者のお客様は少ない店なので、全面禁煙になったことでどの席でもご利用いただけるようになりました」(東京/ホテル・旅館)
現在、全面喫煙もしくは分煙で運営している飲食店のうち55%は禁煙家の予定があると回答。今後、ますます禁煙の店が増えそうだ。