弘兼憲史氏「イクメン部下は仕事から外す」で炎上 「昭和のクソみたいな価値観は滅びろ」
団塊世代に人気の漫画『島耕作』シリーズで知られる漫画家、弘兼憲史さん(67)が、コラム記事で育児に参加するイクメンを批判し、炎上する事態となった。
雑誌「SAPIO」2月号に掲載された記事で、タイトルは「『島耕作』作者・弘兼憲史氏『育児に熱心な男は出世しない』」。昨今もてはやされている育児に熱心に参加するイクメンが、会社でも仕事ができて出世するという話は「現実には難しい」と指摘する。
団塊のモーレツ社員が「少子化の戦犯」なのに…
仮に弘兼さんが上司だとした場合、重要案件で発生した緊急会議に部下を招集したときに「すみません、今日は子供の誕生日なので帰らせてください」と断られたら、「僕はその部下を仕事から外しますね」と語る。
重要案件ならば給料をもらっている以上、子どもの誕生日だとしても会社を「優先するべき」と主張。「子供の誕生日、あるいは子供の運動会程度のことで会議をすっぽかすな、とは言いたい」としている。
弘兼さんは、イクメンと仕事に打ち込んでいる父親は「本来、どちらが正しい、こうあるべきだという話ではないはず」ともしているが、全体的にイクメン否定とも取れる内容だったことから、ネット上で話題になった。はてなブックマークでは、「こういうクソの塊みたいな価値観はとっとと滅べばいいのに」「昭和か!」などと批判が殺到。
「いままではそういう世の中だったが、それを変えないと人口増えなくて日本全体がだめになりますよ、という話なんだがな。昨今の流れは」
「少子化の戦犯がいまごろ開き直る意味ってあるの?」
という意見も多い。家庭を顧みずに長時間労働に邁進する、かつての「モーレツ社員」的な働き方が、現在の少子高齢化社会を招いたのではないかというのだ。
給与水準が下がっている現在では、共働きで収入を確保しながら育児をしている家庭も多く、妻がフルタイムの正社員として働いていれば男性も子育てに参加せざるを得ない。
「少なくとも毎日保育園に誰かが迎えに行く必要がある。高度成長期に松下電器の社員だった人には理解できないのかな」
「島耕作的なるもの」を根絶やしにしないと明日はない?
コラムでは出世と育児参加がトレードオフのように語られていたが、「二項対立じゃなく、なんで日本の企業社会ではこれが両立できないのかと」という声もあった。
実際、「島耕作」は会社最優先で家庭を壊した男性の象徴である。作者と同じ1947年生まれの団塊世代で、高度成長時代に松下電器をモデルにした初芝電器産業に入社。社長にまで出世したが、浮気に離婚と家庭人としては散々だった。
「まあ、島耕作ってそういうタイプの社会人ですから。時代遅れ」
「『島耕作的なるもの』を根絶やしにしない限り日本に明日はないというありがたい警句だよw」
なお「SAPIO」誌面を確認すると、批判されたネット記事に未掲載の部分もあった。ここで弘兼さんは、イクメンに対する認識に「世代間の差」があると認める。自分の世代は戦後の焼け跡からスタートし「もっと良い生活をしたい」という思いで働いたという。
一方、今は生まれたときから快適な生活をしている人が多く、あえて頑張らなくても「ソコソコの幸せ」を手に入れることができる。弘兼さんはそうした現状を「僕らとしては淋しい」と評し、「生き方は人それぞれなのかもしれないけれど、小さな幸せのなかで満足していては、人としての発展はありません」と語っていた。
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