社会人向けプログラミングスクール最新事情「一般教養として学びたいという需要が高まっている」
同社代表取締役社長の樋口隆広さん曰く、プログラミングスクールは講座の形(オンライン・非オンライン)と学習の型式(講義型・質問形)によって4種類に分かれる。元々は講義型が中心だったが、2015年頃から質問型のスクールが増えた。
講義型は学校の授業のように、一人の講師が大勢に向かって教える。一方質問型はいわゆる反転学習のように、受講生が自学した中で分からなかったものを、講師に質問して解決していく形だ。
質問型が急増したのは、運営側・受講生側双方の事情がある。講義型のスクールは受講生1人1人にPCを用意するなどのコストがかかる上、講師は時間と場所の融通が効かない。一方質問型では、講師の拘束時間が講義型より短縮できる。受講生にとっても、質問型は講義型より受講料が安く、好きな時間に学べ、自分のペースで学習を進められることがメリットになっている。
受講生が教室に足を運ぶ「非オンラインかつ講義型」のスクールでは、JavaやPHPに注力しているところが多い。「非オンラインかつ質問型」ではRuby on Railsのように、アプリ作成を目的とした言語に力を入れる傾向が強いという。
「オンラインかつ講義型」は受講生が好きな時間に好きな場所で学べる一方、講師が1対1で教えるため、授業料が高くなりがちだ。キラメックスが提供する「オンラインかつ質問型」では、学習の強制力は弱いものの、授業料を安く抑え、学習のペースも自分で決められる利点がある。
同社がプログラミング教育を提供し始めた2012年頃は、エンジニアになることを最終目的としてプログラミングを勉強する人が多かった。しかし最近は、ウェブ系の企業を中心に「一般教養としてプログラミングを学びたい」という需要が高まっているそうだ。
IoTやAIなどのテクノロジーを会社の経営判断に取り入れるために学びたいというニーズもある。実際に同社の初学者向けコースでは、経営者やマネージャー層の受講が増えているという。樋口さんは、
「プログラミングがどんなものかを理解したい人は、基礎として抑えておけばテクノロジーに一定の理解が持てるような、入門向けコースを学ぶことがおすすめ」
と話していた。