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スタバにカルビー、相次ぐ値上げに経済学者も苦悩「実質賃金は下がっている。これから大変なことになるかも」

価格を変えずに内容量を減らす”実質値上げ(ステルス値上げ)”には否定的な声もあるが、恒木氏は経済学者の森嶋通夫氏が書いた『思想としての近代経済学』(岩波書店)を引用し、企業の対応に一定の理解を示した。

「安売りはその店の信用に関わるから正当な理由付けができない限り、彼らは安易に大安売りはしない。彼らは信用が最大の資産であることを知っているから、企業の死活にかかわる場合の他はかたくななほどに定価売りに固執する」(同書の引用)

値段変更は企業のブランドイメージに大きく影響するため、消費需要が低迷した今の時代、内容量を調整して価格を維持する企業が多いのは当然の傾向と指摘した。

ただ、人件費の高騰も重なり生産コストが上がってしまったため、ステルス値上げでは耐えきれず価格上昇を選ぶ企業は増えていると話す。引用の言葉通りであれば、企業の死活に関わるからこそ値上げをしている状況、とも言える。

「増税は避けたいが国債の発行し過ぎも円安進む。究極の選択」

恒木氏は「価格を上げていくしかなくなった状況下で我々どうですか。実質賃金が下がっていると言われている。これから大変なことになるかもしれませんよ。(中略)日本経済に与えるメッセージは深刻なもの」と、今後の先行きを心配する。実質賃金が上がらない中で物価が上昇すれば、消費が一層停滞する恐れがある。

厚生労働省が先月発表した「毎月勤労統計調査」では、実質賃金は前年比0.2%増で2年ぶりのプラスを記録した。しかし、野党の調査では実質賃金はマイナスになるとも試算されていて、実質賃金の伸びはあまり期待できない。

恒木氏は、実質賃金を下げないために消費税増税を止めることが望ましいと考えているというが、一方で、増税をしないのも「悩ましい」という。

「円安の影響でものすごく原材料高になっている。このまま増税をしないで国債発行に頼り続けると、円安が進み過ぎる可能性がある。どっちを選択するか、究極(の選択)」

と苦い顔を見せていた。

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