「徹夜自慢は無能自慢」慶大学理工学部准教授の『研究をはじめる前に知っておいて欲しい7つのこと』が胸に刺さる人続々 | キャリコネニュース
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「徹夜自慢は無能自慢」慶大学理工学部准教授の『研究をはじめる前に知っておいて欲しい7つのこと』が胸に刺さる人続々

画像は資料をキャプチャ

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「徹夜自慢は無能自慢」「石の上に何年いたって石のまま」──ある大学研究室の『研究をはじめる前に知っておいて欲しい7つのこと』が1月下旬、ネット上で話題になった。

この資料はプレゼンテーション共有サービス「Speaker Deck」に投稿されたもので、制作者は慶応義塾大学理工学部物理情報工学科の渡辺宙志准教授。日付は1月17日になっている。

「研究をはじめる前に知ってほしいこと」の1つ目は、睡眠の重要性を訴えるものだ。

画像は資料をキャプチャ

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睡眠は大切
・良質な睡眠は知的生産活動のキモ
・徹夜自慢は無能自慢
・作業時間ではなく成果を誇ること

と記されている。フリー素材サイト「いらすとや」の布団で眠る男性のイラストがいい味を出している。

「指導教員は『共同研究者』であって『上司』では無い 学生は『下請け』では無い」

2つ目は「やばいと思ったらすぐ逃げる」で、アドバイスとして「石の上に何年いたって石の上」「『違うかな?』と思ったらすぐ相談」「環境を変えることは逃げることではない」といった言葉が記されている。なお、石の上で座禅を組む男性のイラスト(いらすとや)も添えられている。

「わからなければすぐ相談」という項目では、「先生は忙しいから……」と配慮する必要はなく、「忙しければそういいます」。また、最初は自分で考えるべきかもと思っても、「自分で考えるべき課題であればそういいます」とコメント。これについて、

「知識が不十分な状態で『自分が考えるべき課題か』『質問すべき課題か』の判断をするのは困難です」

と補足している。ほかにも「まず手を動かす」「『質問』は『詰問』ではない」「アウトプットを大切に」といったことを伝えている。7つ目は「自立して研究する」というもので、

「指導教員は『共同研究者』であって『上司』では無い 学生は『下請け』では無い テーマは自分で決める(ネタは提供します)」

と伝えている。資料の最後には「研究を進める一番の動機は『楽しさ』です。いくら役立つことでも、学術的に重要でも楽しくなければ続きません」と記されている。

渡辺准教授「徹夜自慢などは、私自身の過去の反省が反映されております」

作成者である渡辺准教授には話を聞いた。この資料は「渡辺研究室に来年度配属される数名の卒研生向けに用意したガイダンス資料」だという。ガイダンスでは、特に反響もなく、

「学生さんも、おそらく当たり前のこととして受け取ったのではないかと思います。そんな当たり前のことが、なぜかネットでは話題になっているようで戸惑っております」

と明かした。内容についても、「あたりまえのことしか書いておらず、多くの教員が似たようなことをガイダンスで学生に伝えていると思います」というが、

「徹夜自慢などは、私自身の過去の反省が反映されております」

という。渡辺准教授は指導教員に恵まれた学生時代を送ったため、逃げる必要性は感じなかったというが、「相性というものはあるため、もし私と合わなければ我慢せずに研究室を変えて良いよ、というメッセージのつもりで入れました」とコメントしている。

なお同資料は渡辺准教授個人の見解であり、大学や学科の意見を代表するものではないとのことだ。

この資料にツイッターでは「素晴らしい。研究だけではなくものを作るひと全般にも言えることだと思う。睡眠!まず手を動かす!楽しく!これ大事」「『知識が不十分な状態で』自己解決の要不要を『判定するのは困難』というくだり、胃に刺さります」など共感の声が相次いだ。

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