「推薦入試」は、高等学校長の推薦に基づき主に調査書によって判定する入試方法だ。基本的に学力試験はなく、書類審査と小論文、面接のみで審査される。それだけに、1~3月に学力試験を受ける一般入試の人たちに「ずるい」と妬まれることもあるだろう。
トピックへは、一般入試の経験者たちが複雑な心境を書き込んでいる。
「唯一の苦労すべきところ(入学試験)をすっ飛ばして、高学歴になるところはズルイと思う」
「大多数の子がセンターや一般入試控えて必死で休み時間も勉強してるのに、冬休み楽しみー!めっちゃ遊ぼ!とか推薦で決まった子同士で大きな声で喋っててめっちゃ不快だった」
しかしトピ主はその制度を利用できる努力をしたわけで、多くのコメントは、
「言わせておけばいいよ」
「推薦だって学生生活頑張ってきた証拠でしょ。成績悪かったら推薦もらえないんだもの」
などの励ましだ。中には、「昔と違って今はAOや推薦での入学の割合が高いんだからそんなこと気にしなくていい」と現状を語る親御さんも。
文科省の「国公立大学入学者選抜の概要」(令和2年度)によると、推薦入試を実施している大学は国公立全体のうち95.4%。同じく学力試験がないアドミッション・オフィス(AO)入試は、54.9%となっている。少子化の中、大学は学生数を確保したいのだろう。成績より面接が重視されるAO入試と同一視はできないが、学力試験免除は珍しいことではなくなっている。
就活の面接で「推薦か一般か」聞かれて落ちたという人も
他方、AO入試や推薦入試は入学後の成績や就活で差が出て、後で苦労するという意見も相次いだ。
「いたわ、偏差値が異様に低い人。『推薦で入れてラッキー』とか言ってたけど、いいのは最初だけ。(中略)案の定、就職も皆より内定貰えてなかった」
「だめではないけど無勉強さんが多い。人が必死に受験勉強してる中漫画読んで遊んでるんだからそりゃあ入って差が出るよ」
名門私立大学だったが、就活の面接で「推薦か一般か」聞かれて落ちたという人もいた。ビジネス誌などを見ると、推薦組は主体性やストレス耐性が低く、入社2年目くらいから伸びないケースが比較的多いとされている。
では本当に不利かと言えば、結局は大学に入って力をつけたか、ではないだろうか。推薦入学した人達からは、
「ちゃんと大学入ってからも勉強頑張って、成績は学部で首席です」
「一般で入るには学力が足りなかったので入学してから、とても頑張りました。(中略)卒業の頃には、合格率30%弱の資格も取れました」
といった経験談が寄せられている。
「入ったもん勝ちだし、入ってから勉強するか、しないかだよね」という声もあったように、その後の人生を豊かにするためには、入学後の努力を怠らないことが一番大切だろう。