ゼンショー、業績厳しくても2000円のベースアップ 「従業員の生活を改善したい経営側の強い思いある」 | キャリコネニュース
おかげさまで6周年 メルマガ読者数
65万人以上!

ゼンショー、業績厳しくても2000円のベースアップ 「従業員の生活を改善したい経営側の強い思いある」

ベースアップに至った背景は?

ベースアップに至った背景は?

牛丼チェーン「すき家」を運営するゼンショーホールディングスが3月16日、今年の春闘で労使交渉の結果、正社員の月給を2000円ベースアップすると発表した。

同社の正社員は911人で、過半数は店舗で働いている。定期昇給分と合わせると月額平均で7700円の賃金アップ。ベースアップ相当の賃金引き上げは、これで3年連続だという。

従業員の「可処分所得の減少」に配慮

ただ、ゼンショーの最近の業績はイマイチだ。3月17日には、2015年3月期の連結経常損益は26億円の黒字になる見込みと発表。深夜帯に営業停止する店舗が相次いだことが響き、赤字は免れたものの、前期81億円の3分の1未満だ。

それでも3年連続の賃金アップに踏み込んだのは、なぜなのか。同社の広報担当者はその理由について、「経営は依然として厳しいです。しかし、従業員の生活を改善したいという経営側の強い思いがあります」としたうえで、賃上げのねらいをこう明かす。

「デフレからインフレになっているだけでなく、消費増税もありますから、従業員の可処分所得は減っているはず。昨年の3500円のベースアップには及びませんが、賃金を上げることでモチベーションを向上し、お客様に質の高いサービスを提供していきたい」

今回は、新卒の初任給もアップする。従来の20万1000円から、2015年4月入社は20万5000円となる。少子化に伴い外食産業でも人材の獲得競争が起きており、初任給アップで優秀な人材の確保につなげたい考えだ。

職場環境も改善、平均残業時間も45時間以下に

広報担当者によれば、職場環境の改善にも取り組んでおり、以前は少人数で回していたため月に100時間以上残業をする従業員もいたが、徹底した指導により最近の平均残業時間は36協定で定めている45時間以下になっているという。

「少ない人数で最大限回す」ビジネスモデルも改善を図り、この1年でアルバイトやパート従業員の数も5000人増加。深夜帯の複数勤務体制も整いつつあり、深夜営業を取りやめていた1200店舗のうち半数以上で再開しているという。

ネットには、正社員の賃上げのニュースを評価する声がある一方で、「バイトはどした?」「問題はバイトじゃないの?」という指摘もあがる。これについて広報担当者は、

「人手不足の影響から抜け出しつつあり、来期は業績も回復する見込みです。今回対象となるのは正社員ですが、ゆくゆくはアルバイトやパートにも還元していきたいと考えています」

と答えている。具体的にどのような形での還元になるかは未定だが、現在でも店舗によっては時給が上昇傾向にあるようだ。

あわせてよみたい:すき家が深夜営業を順次再開 気になる「ワンオペ」は「なくなりました」

 

【PR】注目情報

関連記事

次世代バナー
次世代バナー
転職相談で副業

人気記事ランキング

  1. 着替えや朝礼のために15分前出勤、これって「サービス早出」じゃない? 労働時間に含まれるのか弁護士が解説
  2. 【最新版】精密機器業界の働きやすい会社ランキング 1位インテルは「30歳前後で年収1000万円超えもある完全実力主義評価」
  3. 肥満の人が多い県1位「山形県」東北6県はすべてトップ10入り 大都市圏ほど肥満の割合減る傾向
  4. 【新型肺炎】野田洋次郎、マスク買い占めに苦言「過剰反応は備えではない」 ファンからは"買えない"報告相次ぐ
  5. 大丈夫か、2代目社長! カリスマなき後の「ジャパネットたかた」にネットは賛否両論
  6. 「世界一のクリスマスツリー」プロジェクト終了 西畠氏「1本の木に感情移入してもらい、喜んでもらえたことが全て」
  7. 働き方改革を進める「味の素」のホワイトぶり 「有休とは別に子供看護休暇」「非常にのんびりと働ける」
  8. 落合陽一、口唇口蓋裂の息子の写真を投稿する理由明かし大反響 「ありがたい」「当事者として心に響く写真ばかり」
  9. 社外の人の前で身内を「さん付け」はなぜダメ?「相対的に相手を下げるから」に納得できない人達
  10. 野菜嫌いの男性と結婚できる?ネットで議論 「無理。わがままに育てられたんだなって思う」「イチローばりに稼いでいたらOK」

アーカイブ