「支給なし」の東京女子医科大学を除くと、最大の減少幅だったのは「マイナス1.0か月」(愛知県)の施設。次いで「同0.75か月」(京都府)、「同0.7か月」(長野県、石川県)、「同0.68か月」(青森県)、「同0.6か月」(茨城県、群馬県)などが続いた。
一方、わずかながら支給額が増えている施設もある。岩手県の施設では昨年1.0か月だった月数を1.2か月に増額。このほか、0.1か月分ほど増額した施設は、宮城、東京、京都、兵庫、奈良の1都1府3県でみられた。
同組合の担当者は、キャリコネニュースの取材に対して「新型コロナの対応に追われた結果の経営悪化だ」と調査結果に一定の理解を示しつつも、
「感染リスクを負いながら働き続けるのは結構大変だった。なのに、まともな補償金もないまま、一時金は下がる。冗談じゃないし、まさに踏んだり蹴ったりみたいな状況だ」
と憤りを語った。
「病院経営に対する影響は今後何年にもわたり続きそうだ」
さらに、これまでの蓄えからかろうじて昨年並みに支給できた医療機関でも、経営の限界を迎えている施設が多くあるという。担当者は
「今後はもっと心配。冬のボーナスもそうだし、経営そのものが成り立たなくなり、周りからは『閉院する施設も出てきそうだ』という話も聞いている」
と明かした。
今夏のボーナス支給がなかった東京女子医科大学では、看護師400人以上が退職する意志を示した。にもかかわらず、理事会代理人は「足りなければ補充すれば良い」などと発言。ネット上では、その動向が今なお注目を集めている。
同大学のように、ボーナスが支給できないことで退職する医療従事者が増えることは今後も予想される。同組合は「このままでは医療崩壊につながっていくだろう」と警鐘を鳴らし、
「病院経営に対する影響は今後何年にもわたり続きそうだ」
とコメントした。