昔、たまたま飲み屋で知り合った占いができるお姉ちゃんに、生年月日とか色々聞かれて答えたら「中身が全く子供のまま。精神年齢が低い」と言われた。「何を! 俺のどこが子供なんだ」と憤ったが、考えてみれば今36歳なのに、怪獣人形で遊んでいるので、当たっていたのかもしれない。
しかし、いくら精神が未熟でもおっさんはおっさん。若いころに比べると、色々と至らない部分を感じることも増えてきた。
こういう話をするとき「オールできなくなった」とか「代謝が落ちてきた」みたいな肉体の劣化が話題になりやすいけど、今回はもうちょっと別のベクトル。習慣や心理面の変化について考えてみたい。(文:松本ミゾレ)
「ラジオ深夜便とか聴き始めた」「買うときに捨てるときのこと考える」
今回参考にしたのは、もちろんおっさんしかいない2ちゃんねるである。「『あ、おっさんになってきたな…』と自覚する瞬間ww」というスレッドもあったことだし、ここで目に付いた書き込みをいくつか引用していきたい。
「変化を許さなくなった」
「買うときに捨てるときのこと考える」
「芸人のラジオがあんまり楽しくなくなってきてラジオ深夜便とか聴き始めた」
「面白い映画とか漫画とかゲームとか途中で『今日はもうええかな…』と中断するようになった。そんで積む」
「まじでテレビ見なくなってきた事かも。バラエティあんだけ見てたのに。あと音楽も追えてないな」
変化を許せなくなるというのが、個人的には非常によく分かる。僕もガジェットにせよカルチャーにせよ、これまでとガラリと変えられちゃうと「なんてことしてくれたんだ」って怒ってしまうし。でも、若い人にとってはそっちの方が良かったりするんだろうなぁ。
トレンドについても「こんなのが流行するとかバカなんじゃないか?」とか思うようになった。自分が子供の頃は、”フサフサの毛に目玉のシール”が付いた「モーラー」って玩具で死ぬほど遊んでたぐらいチンケな娯楽しか知らなかったのにね。
世間で活躍している人がみんな年下になっていくのも地味におっさん化を悟るよね
それから、個人的に強く「おっさんになったなぁ」と思ってしまうポイントが、アスリートにせよ、起業して成功した人にせよ、大体みんな年下ばかりになったという点。これだけなら別に普通のことなんだけど、そういう人たちに対して「頑張ってるなぁ。素晴らしいなぁ」とか思うようになってしまった。
これは若いころには決して浮かばなかった、妙な感覚である。むしろ若いころって、自分と同世代が脚光を浴びてるのを見ると「クソ~」とか思ってた記憶があるのに。歳を重ねて、若い世代の成功を称賛する素直さを手に入れた……ということなんだろうか。
それから、おっさんになって以降いろんな意味で優しくなった気もする。僕は子供が苦手なんだけど、最近は子供を見てもそこまで嫌だと思わないし、何なら赤ちゃんを見てあやそうとすることさえある。
散歩中の犬を見ても「いい子だね~」とか思うようになっちゃったし。どんどん丸くなって行くようだ。おっさんになるのも悪いことばかりじゃない。腰も首も背中も毎日痛いし、夜中におしっこ行きたくなって何度も起きちゃうからデメリットも多いけど、おっさんになることで得られるメリットもあるんだなぁ。