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「次亜塩素酸水」で新型コロナは消毒できず 北里大が市販の5製品で検証

新型コロナの消毒に効果があるのはどれ?

新型コロナの消毒に効果があるのはどれ?

北里研究所と北里大学は9月1日、日常的に利用されているハンドソープや消毒液によって、新型コロナウイルスが不活性化できるかを検証した実験結果を発表した。同研究所は「研究成果によって、感染制御を確実に実行する指針となることが期待できる」としている。

市販のアルコール系消毒剤については、アルコール濃度50%以上の製品であれば、3万個の新型コロナウイルスを完全に消毒することが可能だった。

アルコール濃度50%以上なら完全消毒が可能

また、市場に流通している「キレイキレイ」「ミューズ」「ビオレ」といったハンドソープや「JOY」「キュキュット」といった台所洗剤、お掃除、ふき取り系製品についても同様の検証を実施。製品の使用方法に従って使用した場合、新型コロナウイルスを完全に消毒することができたという。

実験では、新型コロナウイルスを3万個含むウイルス液を、約10倍容量の70%、50%、40%、30%の濃度エタノールと混同して、1分間または10分間置き、消毒効果を調べた。

その結果、70%、50%濃度のエタノールでは1分間置くことで完全消毒が可能だったが、40%、30%では消毒は不十分で、生き残ったウイルスが細胞を死滅させてしまったという。また、30%濃度のエタノールでは10分間処理しても、消毒は不十分だった。

“空間除菌”で使われる二酸化塩素も効果なし

一方、同じく新型コロナウイルスに有効とみられていた次亜塩素酸水系の製品については、検証に使った6製品でいずれも3万個の新型コロナウイルスを完全に消毒できないことが分かった。社名と製品名については、5社中4社が非公開を希望。

実験では、0.5(5000ppm)、0.15(1500ppm)、0.1(1000ppm)、0.05(500ppm)、0.01(100ppm)の5段階の濃度の水溶液を作り、1分間および10分間の消毒処理を実施。その結果、1分間接触では、0.15(1500ppm)以上、10分間接触では0.1(1000ppm)以上の濃度の水溶液で完全に消毒できることが分かった。

しかし、厚生労働省が推奨する0.05(500ppm)濃度の水溶液では、10分間処理しても消毒が不十分で、生き残ったウイルスが細胞を死滅させてしまった。1分間で完全に消毒するためには、0.15%(1500ppm)の次亜塩素酸ナトリウム水溶液を使用する必要がある、と結論付けている。

“空間除菌”などに用いられる二酸化塩素水溶液(二酸化塩素0.01%)についても、製品の劣化がないことを確認してから試験を実施したが、3万個の新型コロナウイルスを完全に消毒することができなかった。社名、製品名の公開可否については回答がなかったという。

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