SF映画などで出てくる、厳しい管理下におかれた未来社会で配給される無機質な食事のことを「ディストピア飯」と呼ぶことがある。必要最低限の栄養の摂取を目的としているため、ブロックや錠剤、ゼリーなど、極めて人工的な見た目をしていることが多い。
ローソンが10月20日に発売した「肉の旨み広がるドライビーフ」がディストピア飯のようだとツイッターで話題になっている。
プラスチックを噛んだような食感だが味は牛肉
薄く切った牛赤身肉を低温で乾燥させた、という商品でおつまみコーナーに陳列されている。パッケージにはサラミを薄くスライスしたような赤身肉が描かれている。
パッケージから出してみると、想像以上に無機質だった。肉は赤色で少し透けており、”牛肉シート”という感じ。パッケージの上に1枚乗せると、文字が透けて見えるほど薄い。紙石鹸のようにも見えるため、”食べ物”と言われると戸惑ってしまう。食感も薄いプラスチックを噛んでいる気分なのだが、味は干し肉のような味わいだ。しっかり牛肉の味や匂いがする。
食べ物ではなさそうな触感と、食べ物そのものの味・匂いの落差に脳が混乱する。この妙な感覚が非常に”ディストピア”感を生んでいるのだろう。販売元は「チータラ」などで有名ななとりで、普通に美味しい。ビールに合いそうだ。
しかし、これが本当にディストピア社会で提供される食事であれば、ビールなんて飲むことはできないだろう。自由って素晴らしいな、となぜか改めて思った。価格は税込248円。