上場企業の財務諸表から待遇を探る「これだけもらえる優良企業」シリーズ。今回は、スマホゲームアプリ「白猫プロジェクト」「クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ」「白猫テニス」などを展開するコロプラを取り上げます。
コロプラ社員の平均年収は587万円
最新データ(2019年9月期)によると、コロプラ社員の平均年間給与は587.0万円。年によって上下がありますが、4期前と比べて20万円ほど増えています。
大企業と比べると水準が低いように見えるかもしれませんが、後述するように平均年齢が非常に若い会社なので、その点を踏まえる必要があります。
- 2015年9月期:566.9万円
- 2016年9月期:583.7万円
- 2017年9月期:568.5万円
- 2018年9月期:583.6万円
- 2019年9月期:587.0万円
この額には、賞与や基準外賃金(手当など)も含まれています。
企業口コミサイト「キャリコネ」に投稿された給与明細によると、管理部門に勤める27歳の男性社員の年収は632万円。フレックスタイム制を採用しており、「勤務時間はフレキシブルに調整が可能」と書き残しています。
コロプラの業績はここ数期は思わしくなく、2019年9月期の売上高は3期前と比べて54.1%減、営業利益は同90.7%減にまで落ち込んでいました。
しかし2020年9月期は、売上高が前期比16.0%増の451億円、営業利益が314.9%増の122億円、経常利益が612.3%増の118億円と「V字回復」を果たしています。
コロプラ社員の平均年齢は31.8歳
次に、従業員数と平均年齢、平均勤続年数(ともに単体)を見てみましょう。
コロプラ社員の平均年齢は31.8歳。ざっくり言うと、20代の社員が多く、30代前半で600万円近くもらっている社員が多いということでしょうか。
- 2015年9月期:620人(30.4歳・1.9年)
- 2016年9月期:773人(31.0歳・2.0年)
- 2017年9月期:792人(30.5歳・2.4年)
- 2018年9月期:840人(31.1歳・2.6年)
- 2019年9月期:935人(31.8歳・2.9年)
従業員数はここ数期で右肩上がりに増えています。
なお、このデータはコロプラ本体(単体)のものです。2019年9月期のグループ全体(連結)の従業員数は1,368人。コロプラ単体が占める割合は68.3%です。
コロプラの報告セグメントは「モバイルサービス事業」のみですが、有価証券報告書によると「国内モバイルゲームサービス」「海外モバイルゲームサービス」「VRサービス」、位置情報を活用した「その他のサービス」の4分野を展開しています。
2020年9月期の「V字回復」の理由について決算説明会では、第4四半期で実施した「白猫プロジェクト」や「ドラゴンクエストウォーク」の周年キャンペーン効果、および「その他事業」での受託案件によるものとしています。
新しい働き方で本社オフィスを4割削減
新型コロナウイルスの影響について、既存タイトルはゲーム内イベントを一部見合わせています。新作タイトルは在宅勤務による開発への影響は「少なくなってきた」ということなので、影響が出ていたものと見られます。
海外展開は「新たな取り組みをいったん見合わせています」とのこと。子会社MAGES.は事業計画を見直し、特別損失を計上しています。
また、新しい働き方に合わせて、本社オフィス(東京・恵比寿)の規模をこれまでの約60%に最適化するとのことです。
2021年9月期の通期業績予想は、リリース予定の新作の予測が困難であるため非開示。既存タイトルは前期の周年イベントの反動などもあり、20~30%の減収を見込んでいます。
コロプラでは「白猫プロジェクト」や「黒猫のウィズ」の開発スタッフを募集しています。この他にも、エンジニア、デザイナーなど幅広い職種でキャリア採用を行っており、スマホゲーム好きな若い人には魅力的な職場となるかもしれません。
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