上場企業の財務諸表から待遇を探る「これだけもらえる優良企業」シリーズ。今回は、12月16日に東証マザーズに上場したばかりの家電メーカー、バルミューダを取り上げます。
バルミューダ社員の平均年収は755万円
新規上場申請のための有価証券報告書によると、バルミューダ社員の平均年間給与(2020年10月末現在)は755.6万円です。
代表取締役社長の寺尾玄氏は、高校中退後に約1年をかけて地中海沿岸の国々をひとり旅で回った後、帰国して10年以上ロックミュージシャンとして活動していたそうです。
2001年にバンド解散後、ものづくりを志して独学で知識と技術を習得。2003年3月に「デザインとテクノロジーの融合による製品を通じた体験を社会に届けること」を目的に創業しました。
2013年にはドイツに連結子会社を設立してヨーロッパへの製品販売を開始したほか、アジアや北米へも販売を行っています。
事業は「家電事業」の単一セグメントで、自社工場を保有せず、外部の製造工場に生産委託する「ファブレス」メーカー。製品の企画・デザイン・設計・開発・販売を行っています。
代表的な製品は2010年に発売した「GreenFanシリーズ」の扇風機で、累計50万台以上を販売。特徴的な二重構造の羽根を持ち、高級扇風機のジャンルを新たに築いてグッドデザイン賞も受賞しています。
また、2015年に発売した「スチームトースター」は累計で100万台以上を販売し、グッドデザイン賞金賞を受賞。このほか「太陽光LEDデスクライト」や「ホバー式クリーナー」などを販売しています。
エンジニアとデザイナーの求人募集あり
次に、従業員数と平均年齢、平均勤続年数(ともに単体)を見てみましょう。
バルミューダの従業員数は109人。社員の平均年齢は41.1歳で、平均勤続年数は3.5年です。
ざっくり言うと、40歳で750万円ほどもらっている人が多いということでしょうか。工場を持たずに開発を行う「ファブレス」メーカーなので、少数精鋭です。
2019年12月期の売上高は108.5億円、営業利益は10.7億円。海外売上高比率は32.8%で、特に韓国の代理店向け売上高比率が22.8%と大きく依存しており、経営リスクのひとつとなっています。
取締役ビジネスオペレーション部長はパイオニア出身者、取締役商品設計部長はソニー出身者。社外取締役にメガネブランドJINS創業者の田中仁氏がいます。
採用サイトには「エンジニア(商品設計・品質保証)」と「デザイナー」の募集があります。通勤手当は月上限5万円を支給。60歳再雇用制度もあるそうです。
若い人はもちろん、エンジニアとして現役で働きたいミドルやシニアの方にとっても魅力的な職場となるかもしれません。
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