10月からの消費増税であらゆるものが値上がりする中、サイゼリヤが全てのメニューで税込価格を据え置くと発表した。実質的な値下げとなるためにネット上でも話題になっているが、一体どういうことなのか。
今回の措置をサイゼリヤの人気メニュー「ミラノ風ドリア」で説明する。現在、ミラノ風ドリアは税込299円で提供されている(内訳は税抜277円+消費税8%)。増税後は税抜価格を272円に値引きし、消費税10%を加算することで、現在の税込価格と同じ値段で提供する。軽減税率が適用されるテイクアウトの場合はこれまでと同じ税抜277円とし、店内飲食とテイクアウトで税込価格を統一する。
大手飲食チェーンでは税抜価格そのままで、店内飲食とテイクアウトで異なる税込価格を採用するところが多い。サイゼリヤの対応はまさに異例といえる。
産地、工場、物流、店舗など”改善の余地あり”とコストカットで対応
同社広報担当者は、「1回限りの豪華な食事より、毎日の暮らしの豊かさをイタリア料理を通して提案していきたいという考えのもと、より美味しいものを少しでもリーズナブルに食べてもらいたいという思いで、創業以来様々な努力をしてきました」といい、
「今回は、たまたまこの増税というタイミングでしたが、これまでに何度も商品のブラッシュアップ、値下げを行っています」
とコメントした。増税と値下げの時期が偶然かぶってしまい、結果的に税込価格据え置きになった、ということのようだ。
しかしネット上では、「消費者としてはありがたいが、どこか現場などでしわ寄せが起こるのではないか」と心配する声もあがっている。
同担当者は、「サイゼリヤでは、提供商品に使用する原料から管理しています」といい、例えば、野菜の種の改良から行っていると説明。産地や工場、物流、店舗などでも「まだ改善できる点がある」という。削減できるコストをカットして、実質値下げへ踏み切ったようだ。
同担当者は、
「今後も、その技術を生かし、改善し、より良いものをよりリーズナブルに提供してまいります。これからもお客様に喜んでいただきたいという願いを込めて、努力して参りますので、宜しくお願いいたします」
とコメントした。