コメントは6000を超え、様々な意見が寄せられた。娘を持つ母からは、「女の子のほうが大変」という反論が多数上がっている。
「女の子でもヤンチャで反抗的な子はいるし、女の子らしいファッションが嫌いな子もいるよね。どこへでも1人で行ってつるまない子とか。結局は無い物ねだりで、隣の芝生は青く見えるだけ」
「女の子は幼少期から中学くらいまで友達関係とか特有のややこしいこといろいろあったよー。対して男の子はさっぱりしてて育てやすかったけど」
女の子は、特有の嫉妬や人間関係の複雑さがあり、問題が表面化しづらいため難しい面がある。同姓だから育てやすい、暴れないはずと思っていると痛い目に遭いそうだ。
娘たちからの声もある。当然ながら人には個性の違いというものがあり、女の子らしい恰好やしぐさが好きではない人や、母と娘の好みが真逆なんてこともざらだ。
「女でも、私みたいに女子の好きなものは興味がなく、スクールカースト最下位のようなのもいるからね」
「その娘がブスで頭悪くて鈍臭くてオタクでピアノも習字もバレエもまったくできない友達ゼロ男性経験ゼロのいかず後家の貧乏非正規になったとしても愛せるの?私のことだけど」
などと、自身のコンプレックスを攻撃的に並べ立てる人もいた。「女の子」に対して夢をみるのも分かるが、娘の立場になってみれば勝手なイメージを押し付けられても困る。むしろ、母の理想どおりになれなかった罪悪感に苦しむ事になりかねない。
男女どちらだろうと、子どもは親の思い通りになんて育たない
コメントには、「毒親になりそう」と予測する人も目立った。「毒親」とは、子どもに対して支配的で、幼少期から将来にわたり心身を蝕むような毒のある親のことといわれたる。一時期よりは下火になったようだが、近年ドラマやノンフィクション作品が数多く世に出て、ブームのようになっていた。
『お母さん、娘をやめていいですか?』(NHK 2017年)、『明日の約束』(フジテレビ系 2017年)など、毒親を題材にしたテレビドラマも多数あり、圧倒的に息子よりも「母と娘」の葛藤が多く取り上げられている。それだけ母と娘は難しい関係にあり、いまの社会で共感する人が多いのだろう。
毒親とまでは言えないかもしれないが、可愛い服を着せたり、大人になってからの友人代わりにしたり、家事要員から介護まで期待されるのは女性のほうが多いようだ。カウンセラーの信田さよ子さんの著書『母が重くてたまらない~墓守娘の嘆き』(春秋社)では、専業主婦の母が娘にキャリアウーマンになることを望み、その通りになれば「いつ結婚するのか」と鬼の形相で迫る、墓守まで任される等の現実が描かれている。まったくしんどいとしか言いようがない。
母と娘は、うっかりすると深い穴にはまり、娘を生き辛くしてしまうおそれがある。それは息子でもあり得ることだ。性別は選べないし、どちらにしても子どもは親の思い通りになんて育たない、ということは、忘れずにいた方がいい。