残念ながら回答のほとんどが投稿者に対して「マナーの問題。あなたは非常識」「ルールは守らない方が悪い」などと批判で、厳しい説教が相次いだ。
多くの賛同を得たのが、「遅れた人を許すと回収後に出す人間が現れるのでしっかり注意するのは当たり前」という回答で、「段ボールも、目の前で整理しているのに、投げ入れる。マジで?」と呆れている。一声かけてから渡せばよかった、言い方・やり方が悪かったと諭す人が次々と書き込み、
「自分の非常識を棚に上げておいて、『そんなにマナー違反ですか?』って、言葉が無い」
「人がいる所にゴミなんかぶん投げんなよ。あなたが舐められてるんじゃなくてあなたが人を舐めてるとしか思えない」
などと、かなり辛辣だ。「接客ばかりしてきたのに、それくらい分からないの?」という指摘もあった。どうやら、投稿者の質問は逆に大勢の怒りを買ってしまったようだ。
「最近の日本人は、ゆとりや寛容力がなくなったのでは」
一方で、投稿者に理解を示し、「あなたは普通です」とする人も。ゴミ出しの件では、回収の途中なら遅れても「お願いします」と言われれば回収する程度の親切は常識だと説き、
「最近の日本人は、こういったゆとりや寛容力がなくなったから問題なんでしょうね。(中略)人間だから、時間に間に合わないことや、寝坊することもあります。だからこそ、親切や寛容力が必要なのです」
と綴っている。確かに、近年は理不尽なクレームが増加し「カスハラ(カスタマーハラスメント)問題」として話題になることも多い。背景には格差問題や高齢化など様々な要因があるだろうが、ちょっとしたことで感情的に怒ってしまう人は増えている。
怒りの感情をコントロールする心理トレーニングを説いた『アンガーマネジメント・管理職の教科書』(川嵜昌子著/総合科学出版)によれば、怒りの感情は、「こうあるべき」「こうすべき」という価値観を、誰かが「やらない、守らない、無視した」と思ったときに沸き上がるという。
「べき」は、人によって異なるため、正解・不正解はないのだが、私たちは怒っているときそれを忘れてしまう。また、「心に余裕がないと、許せるものも許せなくなってしまう」とのこと。
ゴミ回収の人もスーパーの店員も、「そんなことはするべきではない」で怒っているし、投稿者も「そんなに怒るべきではない」という「べき」合戦になっていると考えると納得だ。そもそも、みんな疲れて余裕がなかったのだろう。
まずはこうして客観的に見ていくと、投稿者の怒りは収まっていくかもしれない。ただ回答者たちから買った怒りはなかなか収まりそうもない。