世界ゆるスポーツ協会が考案した競技「ハンぎょボール」の説明動画がネット上で話題になっている。基本的なルールはハンドボールと同じだが、選手は脇にブリのぬいぐるみを挟みながら競技する。
動画は8月19日に、同協会の公式YouTubeチャンネル上に投稿。公式サイトなどによると、富山県氷見市と2018年に共同開発したスポーツで、別の動画では同市内の小中学生らが競技を楽しむ様子などを紹介している。
同市沖で獲れるブリは「ひみ寒ブリ」として知られる名産品。ハンドボールが盛んな地域でもあり、毎年3月には「春の全国中学生ハンドボール選手権大会」を開催している。
「”出世~!”が脳内リフレイン」「出世システムに笑った」
ブリは成長につれて呼び名が変わる”出世魚”だ。そのため、ハンぎょボールの勝敗はゴールの数ではなく、選手が脇に挟んだブリの”出世”によって決まる。
最初は「コズクラ」(別名:ワカシ、ツバス)だが、ゴールを決めた選手のブリは出世し、「フクラギ」(イナダ、ハマチ)、「ガンド」(ワラサ、メジロ)を経て「ブリ」になる。出世に応じてぬいぐるみのサイズも大きくなっていく。
それぞれにはコズクラの1点からブリの7点まで得点が割り振られている。試合終了時には、それぞれのチームメンバーが持つぬいぐるみの合計点を計算し、得点の多かった方のチームが勝利するという仕組みだ。
動画では、出世時にチーム全員で「せーの、出世~!」と拳を突き上げて喜ぶシーンもあり、これにはツイッター上で「『出世~』が脳内リフレインww」「出世システムに笑った」とシュールすぎるシステムに思わず吹き出してしまう人が多いようだ。
「全員がシュートを打った方が勝ちにつながる」
動画内でインタビューに答えた体育専科の男性教諭は
「ハンドボールだと上手な子達がシュートを打ったりだとか、ボール回しの中心になることが多かった。その点、ハンぎょボールはどの子にもパスを回して全員がシュートを打った方が勝ちにつながるというルールになっているので、すごく工夫してあっていいなと思っています」
と話す。確かに単純なゴール数で競うのではなく、一人の出世回数は3回までと制限があるために全員が出世しないと勝てない仕組みになっている。それゆえ、運動の得意下手にかかわらず、全員にボールを触る機会ができるそうだ。
同協会の澤田智洋代表は19日、ツイッターを更新。「実在するスポーツですか?」といった問い合わせが複数あったことを明かしている。投稿ではこれに、
「はい、実在します。2018年に誕生し、氷見市で定期的にイベントが開催されたり、氷見市の学校でも授業として行われています」
と回答している。