スタートアップで活躍できる人材とは? DeNA、ユニコーンベンチャー経験者のキャリア論 | キャリコネニュース - Page 2
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スタートアップで活躍できる人材とは? DeNA、ユニコーンベンチャー経験者のキャリア論

—— 山口さんは、これまでずっと新規事業開発担当や立ち上げ期の企業で働いていらっしゃいます。新卒時からずっと、事業を立ち上げたい思いが強かったんですか?

職種や業種にこだわっていたわけではなくて、「30 歳までに、自分の意思で自由に動ける人材になりたい」とだけ考えていました。自由を求めればその分責任を伴うので、やりたいことをやるためには個人に裁量があり、自分で責任を取らせてもらえる企業だけ受けました。 結果として職種は絞らずに、その環境が揃っている DeNA に入社。新卒採用に 2 年半携わったのち、新規事業開発を担当するようになりました。

—— 人事から新規事業担当の職種転換に、戸惑いはなかったでしょうか。

焦りばかりでしたよ。新規事業担当は中途採用のエースばかりのチームだったんです。自分だけが新人。自分が必要じゃないと感じさせられるシーンが多すぎて、落ち込むこともありました。最初に立ち上げた音楽ストリーミングサービスで失敗し、プロジェクト解雇された経験は、いまでもトラウマです。しかも、事業部メンバーの中で、最初に外された。純粋に悔しかったんですよね。

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—— 心が折れてしまいそうな経験ですね。そこから、すぐ切り替えられましたか?

「次こそは、自分でコントロールできるサービスをつくるぞ」と、自分のアイデアをひとりで持って行ったり、社内に通せないまま退職してしまった人のものを引き継いだりして、さまざまな事業を立ち上げました。そこでの経験が、いまに繋がっています。

外資系企業の日本法人立ち上げ後、次を決めずに退職した理由

—— DeNA での新規事業立ち上げは、刺激も多かったと思います。そのまま社内で挑戦する機会もあったのに、20 代のうちに転職したのはなぜでしょうか。

アドネットワークサービス、ゲームメディアなどのサービスを立ち上げていくなかで、自分が DeNA でできることをやりつくしてしまった気がしたんです。グロースするかどうかは別として、企業の中で新規事業を作るプロセスが読めるようになって。「そろそろ新たなチャレンジをしたいな」と思って、外資系ソフトウェア企業の Sprinklr に入社しました。

当時は苦手だった語学を克服するためにも、英語を使って仕事がしてみたかったし、ソフトウェアを作ったこともなかったので。未経験の領域に飛び込むなら、若い方がいいだろうと思ったんです。

—— 英語が苦手なまま外資系企業の日本法人立ち上げに携わるなんて、すごいチャレンジですよね。

本当にキツかったですよ。面接から、全部英語ですからね。最初はすべて事前に資料を英訳して、打ち合わせもカンペを見ながらこなしていました。そんな生活がしばらく続いていくうちに、喋れるようになってきて。在籍していた 3 年間のうちに日本法人のディレクターになり、はじめは数人だった社員数も、50 人規模にまで成長させることができました。

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—— 採用や社内文化を作り上げて、まさにこれから!という状況で退職したのはなぜでしょうか。

そうですね。利益も出せる体制になってきて。波にのってきたタイミングで退職しました。人事制度や評価制度を作っているうちに、自分自身の人格が Sprinklr という会社になっちゃったんですよ。なにをするにも、会社のミッションや、KPI だけを考えていることに気が付いたんです。

もっと、自分の人生を取り戻したくて、アフリカのキリマンジャロ登山で電波を絶って自分と向き合った結果、まずは組織の看板を下ろしてみようと思って、次も決めずに辞めました。その後個人でクラフトビールの事業を立ち上げたり、楽しんでいましたね。

OYO はトップも 25 歳。ゲームチェンジャーになれる資金力と若さがここにはある

—— その後、また創業フェーズの企業に参画したのはなぜでしょうか。

自分が一番バリューを出せるのは、立ち上げ期。スキルセット的にも、OYO がぴったりだと思ったんですよ。立ち上げであれば事業内容自体は関係なく、「自分が良いと思えるサービス」であればよくて。特に今は、需要と供給のバランスが悪いのに、パワーシフトが起きていない領域が面白いなと思っていて、OYO もまさにそう。

—— 「パワーシフト」とは?

インターネットができて、一部の人だけが握っていた情報が、万人に分散するようになりました。経営者と従業員のパワーバランスも、お金も、どんどん分散している。その中で、不動産業界はまだパワーが分散していないんですよ。

日本は急速に空き家が増えてオーバーサプライ状態なのにです。OYO なら、不動産業界をとりまく状況を変えられる。一気にシェアを勝ち取り、ゲームチェンジャーになれる。そこに興味を持ったんです。これから、就労外国人も増えていくし、大きなチャンスです。

—— その中で、OYO の強みはどこだと感じていますか。

OYO の強みは、なんといっても資金力です。不動産領域って、物件の買い付けやリノベーションにも、莫大なコストがかかります。通常のスタートアップの資金力じゃ、大きく入り込めないんですよ。資金があるということは、挑戦できる恵まれた環境だと思っています。

あとは、メンバーが若いこと。OYO は、トップが 25 歳です。平均年齢も 30 歳近辺で、若者が挑戦できる風土であることが、明確に数字で証明できている。今は若者の時代だと思っているので魅力でしたね。

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—— 若い人にとってどのような環境なのですか?

企業が成長すれば、自分も成長する。資金もあるから、どんどん挑戦できる。素晴らしい環境だと思います。

これから、OYO の企業カルチャー自体をつくっていくのですが、若い人たちが生きやすい環境を整えたい。柔軟に対応できるフレッシュな人材を集めています。

—— まだ日本法人は立ち上がったばかりですが、グローバルとローカルを MIX したカルチャーができあがるのでしょうか?

そうですね。本国からも「OYO っぽい会社を日本で作ってくれ」とオーダーされています。「OYO の日本版を作ってくれ」とは、言われていないんですよ。インドや中国など、他国での成功体験を持ち込まなくてもいい。不動産業界は、昔ながらのしきたりもある。うまく掛け合わせられたら強みになるのではないかと思います。

急成長する外資系スタートアップで活躍する人材は「カオスを楽しめる人」

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—— グローバル、特にインド発の企業で働く面白さはどこにあるのでしょうか。

みんな、数字に強いこと。なかでも OYO の特徴でいうと、それぞれのコミット力が強いことですね。みんな真面目に働くし、オーナーシップを持って動きます。あとは、インドは家族を大切にする国民性だからかな?同僚を積極的にサポートする風土があるんです。

—— 素敵ですね。

私の祖父が体調を崩したときも「休んで家族を優先したほうがいい」と、自分の予定をどんどん巻き取ってくれたんです。「これ、日本語のミーティングだよ?」って言っても「まかせて!」って。まあ、流石にまかせられなかったんですけど(笑)。

—— 外資系スタートアップならではの、大変さを感じることは?

日本法人はブランチなので、全社との連携や報告は大変ですね。OYO は凄いスピードで成長しています。インドや中国もガンガン伸びてるし、従業員はグローバルで 1 万人。急成長の最中なので、まだ社内制度や業務フローが整っていない部分は多いです。

年末年始も、バカンスでのトランジット中に「すぐ返信して」とインドの COO から連絡がきて、「いつまでに返答が必要?」って確認したら「いま」って(笑)。すぐに空港で PC を開けました。それくらい、めまぐるしい速度で動いているんです。

—— 事業方針も、どんどん変化していくでしょうね。

そうですね。今働いている同僚たちは、みんなカオスな状況を楽しめる人たち。急な方針転換に対してネガティブに身構えるのではなく、面白いと思えるかどうかが鍵だと思います。圧倒的に人が増えて、組織ステージがすぐ変わるかもしれない。入社してまだ数ヶ月なんですが、想定外のことに日々もまれていますよ(笑)。

—— そのカオスな状態を突き進んできて、山口さん自身の今後のキャリアをどう描いていますか?

クラフトビールを作ったり、外資系スタートアップに関わったり、いろんなことをやってますけど、今までもこれからも、中長期的な計画は立てていないんです。人生の判断は、感性を優先しています。未来を考えすぎてしまうより、今を思いっきり楽しんで生きるほうが、幸福度は高いと思うんです。

もちろん、情報は仕入れるし、未来を想像はするけど、あんまり深刻に考えないようにしています。今の感情に向かっていった先に、キャリアも見えてくると思っています。

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