「ブラック企業の体験談 300字54円」 クラウドソーシングのトンデモ案件まとめ
これまでは、仕事を外部に依頼するときは、特定の企業や個人に頼むということが一般的だった。しかし、昨今、インターネットの普及により、劇的に変わってきている。
顔の分かる特定の企業や個人だけに頼んでいた時代から、オンライン上で会ったことも無い企業や個人といった、不特定多数の人に業務を外注する形が一般的になりつつある。それが、クラウドソーシングである。
簡単に誰でも仕事の依頼をすることができ、依頼者の条件にさえ合っていれば、誰でも受注することが可能だ。そのため、クラウドソーシングサイトでは、これまでの常識では考えられないような仕事内容を目にすることができる。今回は、その一端をご紹介したい。
報酬が「ブラック企業並み」に安すぎる、という皮肉
案件の中には、発注単価が低すぎる「ブラック企業並み」と言われるような案件もある。ランサーズに掲載された「ブラック企業に関するオリジナル文章を書いてください」という案件は300文字以上で1件54円だったという。
ブラック企業並みと揶揄されるような低単価の案件の内容が皮肉にも「ブラック企業について」だったことがネット上で話題となっていた。納得して受注しているなら別に構わないが、色々と考えさせられる案件ではある。【→詳しく見る】
地図機能付きのアプリの開発を10万で 納期は2日後
2017年9月下旬、クラウドワークスで、「〔納期重視〕〔かんたん〕〔バックエンド込み〕地図機能付きアプリの開発」という触れ込みでAndroidアプリ開発案件が出され、一時ネット上で話題となった。
というのも、顧客側から見える機能の実装だけでなく、サーバーサイドでのデータベース設計・構築等の開発を求める依頼内容で、納期は2日後。その上、報酬が5万?10万と依頼内容に対して極めて安い価格設定になっていた。求人を目にした人からは、「普通に見積もるとしたら500万から1000万」といった声が続出した。【→詳しく見る】
政治系サイトへの保守系思想コメントが1件30円
報酬面の問題に加え、依頼内容も議論となっている。先日物議を醸したのが、ランサーズに寄せられた「政治系サイトのコメント欄への書き込み」という依頼。報酬は20文字以上の書き込み1件につき30円となっているという。
実際に、この依頼人のコミュニティサイトのコメント欄には、報酬を受けてのものかは定かではないが、安倍首相を称賛する書き込みがあった。クラウドソーシングサイトでは、その他にも、上記のような思想の”ステマ”と呼べるような依頼が相次いでいる。【→詳しく見る】
新しい働き方であるクラウドソーシングはまだまだ発展途上
誰でも自由に仕事を受発注できるという特性上、上記のような問題も発生してしまうクラウドソーシングだが、まだまだ発展途上の分野だ。
サービスが一般的になるに伴い、新たな規制が生まれてくる可能性もあるが、過度の規制はクラウドソーシングの長所を奪ってしまうことにもなりかねない。今後どのような形で市場が発展していくのか、動向に注目したい。
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