「貧困家庭の子が何回飯食えるよ?」 居眠りしながら時給1万円の都協議会に「最年少委員」が憤慨
都議会議員や都職員らが、仕事中に平気で居眠りをしていると批判したブログがネットで話題になっている。筆者は、女子高生サポートセンターColabo代表の仁藤夢乃さん。困窮状態にある少女を助ける活動をする女性だ。
4月11日のブログエントリーによると、
彼女が委員を務める東京都青少年問題協議会の第4回会議で「頭をこっくりさせている委員と事務局の都職員が数名」がいたのを注意した。初回から居眠りする委員がおり、様子を見ていたが堪えきれなくなったという。
「倍以上生きている大人集団」を勇気出して批判
協議会の委員は35名。都議会議員や関係行政庁の委員、都民からの公募委員を含む学識経験者などがメンバーだ。委員報酬について、仁藤さんはブログで「2時間で2万3200円」と具体的な金額を明かしている。
困窮した若者の支援活動をする彼女にとって、まじめに検討すべき委員たちが居眠りをしながら、時給1万円以上の報酬を受け取っていることは見過ごすことができなかったようだ。彼女は「申し訳なくて泣けてきました」と、憤りをあらわにしている。
「寝てる人の分のお金で貧困家庭の子が何回飯食えるよ?」
「私は活動の中で、女の子たちと共に料理をしたり食卓を囲んだり、食事提供支援をしています。美味しそうに笑う青少年の顔がポンポンと浮かんできます。彼らが2万3200円稼ぐのが、どれだけ大変なことか…」
また仁藤氏は、昼食に食べたうどんを前に「協議会で寝ている委員1人の2時間の報酬で、(一杯400円の)このうどんを58人の困窮した青少年に食べさせられます。手料理すれば、もっと安く済むのでもっと豪華なご飯ができます」と綴っている。
委員の問題行動は、居眠りだけではなかったようだ。求められた意見書を提出しない委員もおり、仁藤氏は「子どもでも宿題を出します。お金もらって引き受けてるんだからやりましょう」と呼びかけていたという。
「倍以上生きている大人集団に『ちゃんとしましょう』と言うのは勇気がいります。マイクを持つ手が震えるくらい怒りがわいてくるし、緊張します」
「実質傍聴不可」の運営にも疑問を呈する
仁藤さんはまた「傍聴可」であるはずの協議会が、開催情報を公開せずに実質傍聴不可になっていることを指摘し、適切な情報開示を求めたところ「傍聴者がいると自由な議論ができない」などの理由で遮られそうになったと明かしている。そして、
「でも、議論以前に寝てる。寝てる人を放置してる。寝ることを黙認してる」
と、協議会の運営に疑問を呈した。
会議中の居眠りは、国会や地方議会ではよく見られる光景だが、今回のような出席委員の告発以外には、あまり表に出なくなっている。その背景には、議員などの怠慢をネットで告発する人を妨げようとする動きがあるようだ。
2008年には茨城県議会で居眠り中の議員を、傍聴していた男性が撮影してブログで公開。それを見た県議が「傍聴目的として適切なのか」と問題視した。これをきっかけに県議会は傍聴規則を改正し、現在では「写真撮影、録音は原則禁止」となっている。
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