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ニートを救わない「サポステ」に批判噴出 「時給200円」「心をくじく」と告発も

厚生労働省の支援事業「地域若者サポートステーション」(通称:サポステ)に批判が集まっている。「就労支援」や「職業体験」の名のもとに60万円もの費用を取られ、無給で労働させられる実態もあるというのだ。

ジャーナリストの池上正樹氏は、このような例を「ブラックすぎるサポステの信じられない実態」としてダイヤモンド・オンラインで紹介し、AERA 2014年8月25日号にも執筆している。若者を支援するはずの施設が、逆に若者から搾取したり、やる気をくじいたりしているとなれば問題だ。

60万円払って「無給労働」に従事するケースも

池上氏の記事によると、無職だった20代女性のAさんは2013年7月、近隣のサポステを訪問。面談で勧められたのは、団体が実施する「有料プログラム」だった。費用は50~60万円。内容はマナー研修を経て、団体が運営している飲食店で働くというものだった。しかも無給で、施設長はこう言ったそうだ。

「働かせていただいてるんだから、受け取ろうとする方が間違っている」
「あなたがやりたいんなら、どうぞハローワークへ行って、勝手に仕事探してください」

これを聞いた池上氏は、A氏とともにこれに抗議したところ、施設長は謝罪。求めに応じAさんの個人情報は一部返却し、残りをシュレッダーにかけたという。

サポステとは、厚労省が2007年からスタートさせた制度だ。厚労省が認定したNPO法人、株式会社などが全国160か所で運営を行っている。対象は「働くことに悩みを抱えている15~39歳の若者」で、キャリアコンサルタントによる相談や協力企業への職場体験など、就労に向けた支援を行っている。

全国160か所のサポステでの2013年の実績は、新規登録者は4万3229人。そのうち就職した人は1万6416人(38.0%)と一定の効果があるように見える。

しかし、のべ来所者数(63万9083人)や相談件数(45万1461件)の数字を見ると、来所・相談しに行った人のごく一部しか「就職」という結果が得られていない。

予算ゼロから名称を変えて「35億円復活」

実際、サポステ事業は、一度は「取りやめ」になると見られていた。厚労省がサポステに割く2014年度予算は、安倍首相の仕分けで44億円がいったんゼロに。しかし14年4月の補正予算では、「若者育成支援事業」と名前を変えて35億円の予算がこっそり復活していた。

この裏には、厚生労働省が事業を委託する運営団体が「天下り先だから」という指摘もある。運営団体のひとつである日本生産性本部には、民主党時代の事業仕分けで、天下り官僚が27人いると批判されたことがあった。

ツイッターなどネットには、サポステの対応を評価するものもある。「ウチの方のサポステは電話対応しっかりしてますたよ」「地域によってだいぶ違うと思う。兄宅のほうは良かった」と、場所や担当によって対応は分かれるようだ。

しかし前出のAさんと同じく、無下にされてしまったという声も存在する。

「嫁が今行ってる所もなかなか酷い。無給ではないが、時給200円交通費支給なし。行き帰りの交通費でマイナス…」
「私はサポステで『助けてほしいんでしょ』と言われた。本来人に見せたくないところまでさらけだした人間にその台詞」

ある男性は、担当カウンセラーが「精神障害の知識が全くないまま鬱などの利用者を叱責したり、高圧的な態度をとってくる」と目撃証言を明かし、「たぶん、お役所的な感覚だと思う」と評する。

通院暦を明かすと「今日は何しにきたの?」と態度硬化

AERAにも、5~6年の引きこもり経験のある女性が、過去の通院歴や服用した薬などの情報を正直に話したところ、相談に応じたキャリアコンサルタントは「それで、今日は何しにきたの?」などと態度を硬化させた例が紹介されている。ショックを受けた女性の父親が抗議したところ、

「お嬢さん、病気なんですよ」「対象にしているのは、社会復帰の可能性のある健全なひきこもり層です」

と反論されたという。どういう基準でこのコンサルタントが採用されたのかは分からないが、勇気を振りしぼって訪れた「悩みを抱えている若者」の心をくじくような事業なら、やめてしまった方がマシではないか。

あわせてよみたい:「突然折れる若者」が224万人、その原因は・・・?

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