ネット上で「仕事がつらい」と愚痴をこぼすと、必ずと言っていいほど「嫌なら辞めろ」といった反応が返ってくる。ただ、「それができたら苦労していない」というのが本音ではないだろうか。ガールズちゃんねるに10月26日「『嫌ならやめろ』理論」というトピックが立った。
発端は、先日話題になった”年末年始17連休”。報道を受け、ネット上には17連休の対象にならない人々が嘆きの声を寄せたが、これらの投稿に「嫌ならその仕事を辞めろ」と反論する人が多いことに、トピ主はモヤモヤしたという。(文:石川祐介)
「自己責任論と同じくアホの暴言だよね」
トピック内には、投稿者に共感する声が多くみられた。
「そう簡単には辞められないのはわかってるし、愚痴くらい言わせてほしい」
「『愚痴ぐらい言わせてよ』って思うけどなぁ。自分が休みの日に働いてくれてる人がいるからこそ世の中成り立ってるわけだし」
ちょっと愚痴っただけで、容赦ない攻撃を受けてしまう現代社会は非常に生きづらい。ネット上くらい、気軽に愚痴を吐き出せる世の中にならないものだろうか。
「バカなんだろうなって思ってる」
「自己責任論と同じくアホの暴言だよね」
また、すぐに「嫌なら辞めろ」という人に侮蔑的な見方をする人も多かった。いわゆるクソリプという扱いになるのだろう。辞められない事情があるから愚痴を漏らしている人に対して「嫌なら辞めろ」という返しはまったく建設的でない。
愚痴は聞かされる方にはストレス
一方で「嫌なら辞めろ」と言う人に、理解を示す人も一定数いた。
「文句ばかり言う奴に対しては言いたくなる気持ちもわかる」
「愚痴を公にするから、叩かれるんじゃないの?身内と職場の仲間の間ですればいい」
愚痴を聞かされた側は、確かにあまりいい気がしない。「愚痴って言う方は発散だけど、聞かされる方がストレスだから悪循環が生まれるよね」という指摘があるように、愚痴ばかり聞かされていれば、思わず「嫌なら辞めろ」と口走ってしまうこともあるのかもしれない。
「嫌になってみんな辞めてたらその仕事する人いなくなるから、お願いだから辞めないで!って思うよ。販売とか飲食店の店員とか私は絶対したくないから」
とは言え、本当に嫌で辞められたら困る仕事はたくさんある。自分の生活が多くの人の”仕事”によって成立していることを思い返してはどうだろうか。「嫌なら辞めろ」と言いたい気持ちをグッとこらえて、日頃の感謝の言葉を贈り合えるような社会になってほしい。