会社の規模がある程度大きくなると、社員からパワハラやセクハラなどの相談を受け付ける窓口が設置されることがある。日常の業務に関することなど、社内での困りごとを相談できるはずが、「通報窓口は機能せず」(20代女性/サービス・販売)という経験談が寄せられている。
こうした相談窓口に限らず、ブラック企業では従業員から寄せられた相談に対し、どのように対処するのか、気になるところだ。(文:林加奈)
機能しない社内相談窓口「二次ハラスメントで退職を決意」
管理・事務職の30代女性は、職場で陰湿な嫌がらせを受けた。対応窓口に相談したところ「嫌がらせしていた人の上司に伝わり、その上司からパワハラを受けた。さらに、正当な評価をしてもらえなくなり、給料もベースアップしか上がらなくなった」と語る。
別の女性も過去に勤務した会社でモラルハラスメントを受け、社内の窓口に相談した。すると、
「異動をほのめかしてきた。しかも、実際にはプライバシーが守られずそのまま現場でオープンにされ、二次ハラスメントがひどくなったので退職を決めた。すべて悪いのは私ということになり、異動の条件も悪かった」
この女性は退職してから精神科に通い始めて2年経つが、今なお心の傷が癒えず就職活動ができていないという。対応窓口に相談した結果、改善するどころか状況が悪化してしまい、精神を病んでしまったようだ。
同僚に悩み相談しただけで「減給・手当カット」
クリエイティブ職の40代の女性の職場では、社員の明確な評価基準があるにもかかわらず、それを無視した評価がなされていたという。
「疑問に感じたり不安に思ったりして同僚に相談する人がいると、『和を乱す』と言って減給や手当をカット。挙句の果てには、経営者層が自ら『あの社員とはかかわらないように』などとほかの社員に指示し、孤立させる始末」
と現状を明かした。
他にも
「お局のパワハラに耐えられなくなり、されたことを箇条書きにしトップに相談したが『弁護士に何を吹き込まれたんだ』『あの人はそんな人じゃない』『ただあんたの一方的な意見やろ』『あんたの態度がむかつくからやろ』と、パワハラ発言のオンパレードでした」(30代女性/管理・事務職)
という声も寄せられた。
どのエピソードも相談した結果、状況が悪化しているものばかりだ。従業員の困りごとに真摯に向き合わないのはブラック企業あるあるなのかもしれない。
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