「お母さんの料理がまずい」子どもの訴えに「ハッキリ言ったほうがいい」などの助言 母親は”料理しなければならない圧力”を感じている? | キャリコネニュース
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「お母さんの料理がまずい」子どもの訴えに「ハッキリ言ったほうがいい」などの助言 母親は”料理しなければならない圧力”を感じている?

切り干し大根は”辛くてまずい”という……

切り干し大根は”辛くてまずい”という……

「母の味」が絶対に美味しいとは限りません。お悩み解決掲示板に11月下旬、「お母さんの料理がまずい」という投稿がありました。投稿者によると、自分が料理本を見ながら作ろうとすると「いいのよ、お母さんやるから」と遠慮されてしまうそう。母親はレシピも見ずに適当に作り、一緒に台所に立つといつも喧嘩になるといいます。

「『本なんか見てたらいつまで経っても完成しない』と言われますが、まずくて食べられない料理なんて作る意味がないと私は思います」

しかし、本音は「口が裂けても言えない」という投稿者。父親も母親のいないところで「まずい」と言っており、「ご飯を食べるのがつらいです」と悩んでいます。(文:篠原みつき)

「もうスナック菓子だけ食べてたい、それか3食給食がいい」

子どもがあまり食べたがらないことを、母は「機嫌が悪い」くらいに捉えているようですが、投稿者は

「今日も『切り干し大根が上手にできた』と言われましたが辛くてまずいです。もうスナック菓子だけ食べてたいです。それか3食給食がいいです」

と本音を明かしています。毎日の食事が「いつもまずい」ようでは、外食を控えるコロナ禍の今、余計につらく感じていることでしょう。

この投稿には「切り干し大根って普通甘いのですがね……」という呆れ声をはじめ、「ハッキリ言った方が良いと思います」という助言が多数挙がりました。

「もっと辛くないのが私の好みだと要望はしっかりと言っていいと思います。いずれは自立するのだから、今から少しずつ料理を作りたいとお話ししてみてはどうでしょうか」

このほか、「味覚音痴の可能性もあるよね」「お母さんは美味しいと思ってるのであれば、何かの病気かも知れない」という意見もありました。

「主婦のプライド」が子どもへの家事分担を阻む?

筆者も毎日家庭で料理を作る立場ですが、家族に「料理がまずい」と言われたら、「文句があるなら自分で作れ」と言ってしまうかもしれません。ですからこの母親が、子どもが作ることを拒む不思議です。投稿者はおそらく中学生くらいでしょう。積極的に料理を覚える方がいい年齢ですし、母親も家事の負担が減らせるので、任せて悪いことはありません。

しかし投稿者によれば、母親は「まずい」とハッキリ言われなくても、かなり頑なになっています。

「母は料理の腕に自信がないので、料理の話をしただけで表情がかたくなります。(中略)苦手なら本見てほしい。主婦のプライドなんですかね」

と呆れていますが、本当にこれが理由かもしれません。

翻訳家でナチュラルライフ研究家の佐光紀子氏が、著書『「家事のしすぎ」が日本を滅ぼす』(光文社新書)で、こんな問題提起をしています。

『多くの日本人が、丁寧な暮らしや、家事をきちんとこなすこと、配慮の行き届いた子育てをすることを理想としている。しかし他方では、日本人の「完璧家事」や「手づくり」礼賛の傾向、さらに昨今のシンプルな暮らし(「断捨離」「ミニマリズム」など)の流行は、母親への目に見えない圧力となると同時に、家族との分業を阻んだり、葛藤の原因ともなっている。』

もしかすると投稿者の母は、「料理は母親が作るもの」という”見えない圧力”を感じているのではないでしょうか。しかし、料理に限らず、家事は得意な誰かがやればいいのです。こだわりを捨て、軽い気持ちで子どもにキッチンを譲ってみてほしいです。

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