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「またパチンコで3万負けた」と落胆するユーザーを「負け組」と馬鹿にしていいのか、という問題

パチンコは「非効率に振舞ってこそ」?

パチンコは「非効率に振舞ってこそ」?

ここ最近、パチンコの話ばかり書いてる気がする。あんなに面白い人間模様が見られるのに、誰も書かないんだからこれはもうしょうがない。

今やパチンコライターもパチンコの出玉とか演出とかの話しかしなくなり、パチンコホールを根幹から支えるユーザー、それも、言葉は悪いが負け組ユーザーには見向きもしない。ホールとメーカーにしか目を向けていない。

本当のドラマは、そういう人たちにこそあるってのに。全くわかってない。今日はそういう本物のドラマの主役にスポットを当ててみよう。(文:松本ミゾレ)

「ボーナスシーズンに行くとか自殺行為」と言われるが……

先日、5ちゃんねるに「またパチンコで3万負けた」というスレッドが爆誕した。スレ主、「また」と書いているように負けることはしょっちゅうで、今年は100万円ほどの負債を抱えてしまったという。結構なお手前である。

僕の友人にも、今年110万円負けている猛将がいるが、まさに負債額で言えば同等である。

ちなみに僕は現時点で、今年は59000円のマイナス。多分もう今年は打たないので、2020年は赤、ということになる。

スレ主に対しては「ボーナスシーズンに行くとか自殺行為」とか「気合いが足りん」などの叱咤激励が寄せられている。当の本人はそういった声を目にしつつ、負けている原因についても自分なりに振り返っている。

たとえば「天井狙いしかしていないけど、高継続なのに単発ばっか」と書いている。これがパチンコの遊タイムを指しているのか、パチスロの天井を指しているのかは分からないんだけど、彼は「パチンコで3万負けた」と書いているので、前者だと思われる。

最近は天井付きパチンコの遊タイムなるものを搭載する機種が多いが、確かに天井に入れば時短が数百回獲得できて、そこで当たると継続率が80%も90%もある当たりの連鎖への特急券となる。

しかし、運が悪いとそれも単発で終わってしまうものだし、そもそも天井に行く前に当たって単発、天井の時短を手にしても当たりを得られず通常に戻るということも。しかも釘も渋い。そういう不運の連鎖に、彼は巻き込まれているのかも。

また、パチスロも現行主力の6号機は有利区間という縛りがあり、最大でも1度の当たりで2400枚程度しかメダルが出ない。負けやすく、勝ちにくいという、負け組がもっと負けられる下地が整っている。

演出を楽しみ、出玉に期待を寄せる、という楽しみ方でも全然いいのでは

前述のように、今は負けるのは簡単でも、勝つのはちょっと難しい時代に入っている。パチンコホールだってコロナ禍のせいで経営が厳しいので、遺憾ながら調整を渋くしている側面もある。

なので、今は無駄な打ち方はせず、期待値のない台には目もくれず、美味しい回転数で放置されているパチンコ台、パチスロ台をハイエナする人が昔以上に増えている。そこまで必死になって立ち回るってことは、ホールの勝ち組と目される人たちも金がないんだろう。

純粋にパチンコの演出を楽しみたいってユーザーは、どんどん負けているし、減っている。スレ主などはこのタイプだ。スレ主は「0ゲームやめするやつなんなん? 少し粘れよな」という書き込みをしている。当たりを取り切ったらすぐにやめる。これは今のパチンコホールで負けないための鉄則になりつつある。

特にパチスロなんて、大当たりのリザルト画面で放置されている台が山ほどある。あれは見た目もなんか品がないので、個人的にはクレジットに残っている1000円分ぐらいは回してやめるんだけど、それを10回やれば1万円の損失。結構馬鹿にならない欠損になってしまう。

でもなぁ~、なんか当たってすぐやめるって、馬鹿みたいなんだよね。「期待値、期待値言ってる人に限って、自分の人生の期待値は追いかけてない」みたいなことを、知り合いも言ってたなぁ。

そんなに期待値を稼ぎたいなら、パチンコホールに出入りしてハイエナなんかしなくてもいいのではないか。もうそういうのが非効率になりつつある時代なんだから。

僕としては、トータルマイナスであっても、負けても懲りずに遊びに行っちゃうスレ主のほうが、人として可愛いと思える。あんな立ち入る時点で非効率な空間では、非効率に振舞ってこそなのではないだろうか。

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