ディップは1月8日、氷河期世代の現在の就業意向について調査結果を発表した。調査は11月~12月に実施し、現在アルバイトや派遣などの有期雇用者、もしくは現在無職のうち、就職氷河期世代にあたる35~54歳の男女1667人から回答を得た。
「正社員で働きたい」人は17.5%で、「働きたいが、現在の雇用形態でも許容できる」(28.4%)を合わせると半数近くになった。契約社員と派遣社員においては、6~7割近くが、正社員の雇用形態を希望していた。
「正社員の仕事に、自分でもできる仕事があるか自信がない」
現在、正社員として働けていない理由を聞くと、最多は「転職をするうえで年齢が壁になり、採用されなさそう」(35.9%)だった。年齢をネックに感じている人は多いようで、年代が上がるにつれて現在の就職難易度が高いと感じる割合も高くなっていた。
2位以降は、「再就職に自信がない」(22.5%)、「正社員の仕事に、自分でもできる仕事があるか自信がない」「転職をする上で学歴・職歴などに自信がない」(同21.9%)と続いた。
就業時に感じる正社員との待遇差は、「給与が低い」が50.5%で最多。他には「評価・昇給がされない」(42.3%)、「キャリアアップができない」(40.1%)、「雇用が不安定」(38.9%)は上位となり、
「仕事があっても、派遣だとキャリアアップにつながる仕事をさせてもらえない」(40代女性)
「1年更新なのでいつ解雇されるかわからない」(50代女性)
といった声が寄せられた。
「氷河期世代、再チャレンジ、Reチャレンジという表現をやめてほしい」という声も
これまでの就業経験数については「5以下」(60.2%)が最多ではあるものの、「10以上」も19.7%いた。「就職活動をするなかで、受けることができると嬉しい支援」は、「職業あっせん先での就業体験・研修」(22.7%)や「職業あっせん先の見学」(21.8%)、「応募書類作成」(20.2%)が上位を占めた。
氷河期世代を対象に国や自治体が行っている「就職氷河期世代活躍支援」についての印象や希望を聞くと、「どのような支援があるのかわかりやすく知りたい」(35.5%)、「支援内容を具体的に教えてほしい」(29.7%)など前向きな声が多かった。
また、「氷河期世代という表現をやめてほしい」(10.3%)や「再チャレンジ、Reチャレンジという表現をやめてほしい」(7.3%)といった”氷河期世代”というイメージを払しょくしたいという声も寄せられた。
一方、興味関心がない人は37.7%。年代が上がるにつれて興味関心がなく必要性を感じていない人の割合は高くなり、50~54歳では45.4%にのぼった。