これだけもらえる優良企業の社員

上場企業の財務諸表から待遇を探る「これだけもらえる優良企業」シリーズ。今回は、フジサンケイグループを統括する持株会社、フジ・メディア・ホールディングスを取り上げます。

フジ・メディアHD社員の平均年収は

最新データ（2020年3月期）によると、フジ・メディアHD社員の平均年間給与は775.6万円。前期と比べて390万円あまり、3期前比では700万円以上も減っています。

• 2016年3月期：1430.3万円
• 2017年3月期：1485.4万円
• 2018年3月期：1117.6万円
• 2019年3月期：1167.5万円
• 2020年3月期： 775.6万円

この額には基準外賃金（手当等）および賞与が含まれています。

ネットには「フジテレビの年収は？」といった記事が見られますが、現在上場しているのは持株会社のフジ・メディアHDだけであり、フジテレビジョンの年収等は公開されていません。

持株会社化前の最後の有価証券報告書（2008年3月期）によると、フジテレビジョン社員の平均年齢は39.6歳、平均年間給与は1534.3万円となっています。

企業口コミサイト「キャリコネ」に投稿された給与明細では、フジテレビジョンに勤務する46歳男性管理職の年収は1,604万円。この男性は「朝9時出社、午後6時退社でOK」と言っており、金額にも満足しています。

フジ・メディアHD社員の平均年齢は

次に、従業員数と平均年齢、平均勤続年数（ともに単体）を見てみましょう。

フジ・メディアHD社員の平均年齢は46.5歳。ざっくり言うと、40代後半で700万円台後半をもらう人が多いということでしょうか。

• 2016年3月期：38人（44.3歳・13.7年）
• 2017年3月期：38人（46.1歳・15.6年）
• 2018年3月期：27人（45.0歳・12.8年）
• 2019年3月期：27人（46.5歳・11.5年）
• 2020年3月期：13人（46.5歳・6.0年）

フジ・メディアHD（単体）社員の従業員数はここ数期で減少しており、2020年3月期にはわずか13人に。平均年間給与もこの13人のもので、フジテレビジョンやニッポン放送、ポニーキャニオン、ディノス・セシールなどの子会社や、産経新聞やWOWOWといった持分法適用関連会社の給与相場を反映していません。

グループ全体（連結）の従業員数は、2017年3月期に8,049人まで増えたものの、翌2018年3月期には7,484人に減少。2020年3月期には7,518人へと微増しています。

フジ・メディアHDの2020年3月期の業績は、売上高が前期比5.6％減の6315億円、営業利益が同24.1％減の263億円となる減収減益でした。

2021年3月期の第3四半期はさらに業績が落ち込み、売上高が前年同期比18.5％減、営業利益は同40.2％減に。通期では売上高が前期比9.8％減、営業利益は同50.6％減、最終利益は同78.2％減の90億円にまで落ち込む見通しとなっています。

サンケイビルが中途採用募集中

事業セグメントは、テレビ・ラジオ・新聞・雑誌から映像・音楽ソフトの販売等まで幅広く展開する「メディア・コンテンツ事業」のほか、ビル賃貸・不動産取引やイベント・内装などの「都市開発・観光事業」、「その他事業」を行っています。

2021年3月期第3四半期は、セグメント売上の82.0％、同営業利益の66.6％をメディア・コンテンツ事業が占めました。都市開発・観光事業は、2020年3月期にはメディア・コンテンツ事業を上回る営業利益を上げていましたが、コロナ禍の影響で前期比63.1％減と大きく落ち込んでいます。

最近まで、フジ・メディアHDでは経営企画や投資・M&A職を、フジテレビジョンでも番組制作や報道記者などを中途採用募集していました。しかし現在はいずれも受付を終了し、2022年度の新卒採用の募集も1月で終わっています。

なお、都市開発・観光事業を担うサンケイビルが、「REITのアセットマネジャー」「オフィスビル・ホテル等の開発をサポートする技術スタッフ」「法務担当マネジャー」を募集しています。

法務マネジャーの想定年収は、1000万円～1150万円。フジサンケイグループで働いてみたい人には、魅力的な職場となるかもしれません。

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