ゲームを中心としたライブ配信サービス「ミルダム」を始める人気YouTuberが相次いでいる。昨年12月ごろから、UUUMのヒカキンさん、はじめしゃちょーらがゲーム配信をスタート。新たなプラットフォームでの活動を始めた。
ミルダムは、中国最大のライブストリーミングプラットフォームを持つ闘魚(Dou Yu)が開発を手掛けた。運営は、2019年8月に同社と三井物産と共同で設立したDou Yu Japanが担っている。時給制を始めて導入した配信ポータルで、配信者のランクが上がるにつれて時給も引き上げられる仕組みになっている。
ゆゆうた氏「いや、1億なんてもんじゃないよ。すみません、桁が違います」
人気YouTuberのシバターさんも2月19日に投稿した動画でミルダムに言及。ヒカキンさんの参入について、「いくら積んだんだ」とコメントした。
シバターさんは、人気YouTuberたちがミルダムを始めることについて「YouTube以外で生放送をするメリットってまったくないでしょ?お金以外で」とツッコミを入れる。YouTubeライブでやれば「広告収入も付くし、投げ銭もある」とした上で、それでもミルダムを始めたことに対して「すげえ金額動いていると思うんだよね」と率直な印象を語った。
実際、かなりの額が動いている可能性が高い。YouTuberの鈴木ゆゆうたさんも昨年、ミルダムからオファーがあったが、断ったことをツイキャスで明かしている。鈴木さんは、オファーの金額について
「いや、1億なんてもんじゃないよ。すみません、桁が違います」
とコメント。具体的な提示金額については、コンプライアンスの観点から言えないとしつつも、「本当にとんでもない額」と印象を語っていた。
また、ミルダムでは権利上の問題から任天堂のゲームができないことも指摘。「そこで『YouTubeでやらないでミルダムでやってください』って言われても」と話していた。
ヒカキンのゲーム実況、なのに視聴者数は3000人前後?
ヒカキンさんのミルダムのフォロワー数は12万3531人(ちなみにYouTubeのゲーム系チャンネル登録者数501万人)。これまで、「フォートナイト」の実況動画を昨年12月~2021年2月21日の間に計42本投稿している。だが、視聴者数は、初回こそ11万6241人を叩き出したが、その後は伸び悩んでおり3000人前後の動画も多い。
「はじめしゃちょーの畑」のミルダム上でのフォロワー数は1万8125人(YouTubeでは213万人)。「Apex Legends」をはじめ、「ドラクエ」シリーズなどの人気タイトルの実況動画をやはり昨年12月から投稿している。最高視聴者数は5535人とYouTubeと比較するとかなり少なく、投稿の新旧にかかわらず1000人に届かない動画が大半を占めている。
一方、半年ほど早くミルダムに移行していたのが、同じくUUUM所属で、フォロワー数7万891人のカズチャンネル(同153万人)だ。昨年7月以降に「フォートナイト」「マインクラフト」などの投稿を続けているが、最高視聴者数は2本目の6453人で、その後は概ね500~2000人前後の投稿が多い。ミルダム移行から時間が経っても、視聴者数がそれほど伸びていないことが分かる。
ミルダム側とどのような契約があったのかは不明のままだが、今後も巨大資本を武器に大物の引き抜きを進めていくものとみられる。動向次第では動画プラットフォーム市場の勢力図も変わる可能性もあるが、果たして……。