あの会社の社員の平均年収はいくら？

上場企業の財務諸表から待遇を探る「これだけもらえる優良企業」シリーズ。今回は、国内シェア首位の洗剤・トイレタリーのほか、幅広い事業を展開する大手化学メーカーの花王を取り上げます。

花王社員の平均年収は812万円

最新データ（2019年12月期）によると、花王社員の平均年間給与は812.4万円。前期より9.5万円減っているものの、一時700万円台まで下がっていた金額を回復しています。

• 2015年12月期：811.0万円
• 2016年12月期：798.4万円
• 2017年12月期：780.4万円
• 2018年12月期：821.9万円
• 2019年12月期：812.4万円

この額には基準外賃金（手当等）および賞与が含まれています。

企業口コミサイト「キャリコネ」に投稿された給与明細によると、広告宣伝担当の31歳男性の年収は784万円。月の時間外手当は5万円、通常3.3万円の住宅手当も転勤者なので8万円に上乗せされています。

定期賞与120万円のほかに、インセンティブ賞与が100万円支給されていますが、「1000万円もらえると満足」とやや不満げです。花王は会社全体で見るとかなりホワイトな会社であるものの、「マーケティング部門の残業は過酷そのもの」。ただし日用品や化粧品の社員販売は「7割引くらい」で買えるそうです。

花王の業績は、IFRSの採用を開始した2016年12月期から2019年12月期までの3期間で、売上高は3.1％増の1兆5022億円、営業利益は14.1％増の2117億円、最終利益も17.1％増の1482億円と安定的に伸びていました。

しかし2020年12月期はコロナ禍の影響で、売上高が前期比8.0％減、営業利益が同17.1％減、最終利益が同14.8％減と落ち込み。2021年12月期の通期予想は、売上高が前期比3.5％増、営業利益が0.8％増となる見込みを立てています。

花王社員の平均年齢は40歳

次に、従業員数と平均年齢、平均勤続年数（ともに単体）を見てみましょう。

花王社員の平均年齢は40.6歳。ざっくり言うと、40歳になると800万円を超える人が多いということでしょうか。

• 2015年12月期：6,970人（41.7歳・18.5年）
• 2016年12月期：7,195人（41.4歳・18.1年）
• 2017年12月期：7,332人（41.4歳・18.0年）
• 2018年12月期：7,655人（40.8歳・17.9年）
• 2019年12月期：7,905人（40.6歳・17.7年）

花王（単体）の従業員数は右肩上がりに伸びており、ここ4期で900人以上増えています。その一方で、グループ全体（連結）では、2015年12月期の33,026人から2019年12月期の33,603人と、ほぼ横ばいです。

花王の報告セグメントは、一般消費者向けのコンシューマープロダクツ事業の内訳として「化粧品事業」「スキンケア・ヘアケア事業」「ヒューマンヘルスケア事業」「ファブリック＆ホームケア事業」の4つと、産業用の「ケミカル事業」の計5つです。

2020年12月期のセグメント別売上構成比は、ファブリック＆ホームケア事業が26.4％、スキンケア・ヘアケア事業が21.7％と双璧に。化粧品事業は16.5％（前期比22.1％減）と大きく落ち込みました。

セグメント別営業利益の構成比は、ファブリック＆ホームケア事業が46.3％と半数近くに迫り、化粧品事業の利益構成比は1.5％までに縮小。コロナ禍の打撃を大きく受けています。

非公開求人は人材紹介会社へ

花王では2021年1月1日付けで、60歳の長谷部佳宏氏が新社長に就任。花王の社長交代は8年ぶりです。

花王の採用サイトは「花王グループ」全体の職種の求人が掲載されており、「仕事（職種）から探す」「会社から探す」のほか、「想いから探す」という検索方法があります。

この方法では「理系の知識を生かしたい」「最新テクノロジーを用いて、新たな仕組みを開発したい」「BtoB営業で活躍したい」などのくくりから、類似した複数のグループ会社や職種を表示することができます。

しかしサイトからのエントリーは、新卒および第二新卒向けになっており、キャリア採用に大きく門戸が開かれているわけではないようです。

それでも花王に自分の経験が活かせると自信がある場合、人材紹介会社を通じて、非公開求人があるかどうか問い合わせてみてもいいかもしれません。

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