結婚式は自分が友人からどう思われているか、思いがけずハッキリしてしまうイベントだ。酷いときには完全に価値観が合わず関係が終わってしまうこともある。
26歳の頃に結婚式を挙げた埼玉県の30代女性は、招待した一部の友人たちの行動に今も憤りを感じている。
「挙式に参列していただけるかメールで聞いたところ、ぜひ行きたいとのことで招待状を郵送しましたが、返信ハガキには『欠席』。休めない仕事って何なんでしょうね」
「また別の友人2人には受付をお願いしました。お礼に5000円包み、帰宅後その2人からのご祝儀を開けてみたらまさかの1万円でした。引出物と食事で2万円かかっていますから、大赤字です」
こう怒りをあらわにする女性に、編集部では取材を申し込み話を聞いた。
「20代半ばでご祝儀1万円しか包めないなら来なくて良かったです」
つまり2人で5万円かかっているのに2万円しか戻らず、3万円もの赤字となったのだ。ご祝儀は気持ちなので収支を気にするものではないだろうが、「気持ちが1万円」と分かって嬉しいはずもない。
その友人たちは専門学校時代の同級生で、当時は全員未婚だった。仕事で「欠席」した友人からは、その後お祝い品も祝電も届かなかったというから切ない。
「まさかの何もなしでした。挙式日も式場も分かっているのに寂しいですよね。海外を飛び回っているような職種でもないのに……」
結婚式は800万円ほどの費用をかけた。招待客の数自体は70~80人なので特段多くはないが、「失礼のないよう料理も最高ランクのもの、引き出物もかなりお金をかけました」と、おもてなしにこだわった。
そんな女性に「友人へのご祝儀として常識の額」を聞くと
「3万円は最低ラインだと思います。1万円しか出せなかった友人は都内一人暮らしでお金がなかったのかもしれませんが……。20代半ばでご祝儀1万円しか包めないなら来なくて良かったです。学生じゃないのだから。仲の良い友達でしたがそれ以来お付き合いはしていません。大人になってからできた友達だったのにガッカリです」
今も絶縁状態は続く。その友人たちが結婚したかどうかも不明で「呼ばれたとしても行かないです」ときっぱり。他にもご祝儀が少ない招待客はいたのだろうか。
「1万円と5000円札2枚を入れて2万円だった人もいました。紙幣2枚で縁起が悪いと思うのはいいとして、ケチった意味が分かりません。実家暮らしでケチられるなんて私はそういう扱いなんだなぁと寂しくなりますね。その後、ご祝儀が1万円、2万円だった人たちとは全く関わりありません。SNSなどもほぼブロックしてしまったので近況も不明です」
ご祝儀の額で相手の思いを察してしまった女性は、自ら付き合いを絶ってしまった。
「自分がどんな風に思ってもらえているかとてもよく分かるイベントでした」
一方で、付き合いを続けるべきと感じた人もいた。
「色んな人がいました。わざわざ二次会に駆けつけてくれたり、SNSでしか繋がっていない遠方の友人が、会場も知らせていないのに電報を送ってくれたり。自分がどんな風に思ってもらえているかとてもよく分かるイベントでした」
それでも、やはりご祝儀1万円だった友人たちには拒絶の思いしかわかないようだ。「それまで仲が良くて楽しい思い出ばかりの友人も、たった1日で印象が変わってしまいました」と肩を落とす。
「ご祝儀なんかで…と思われるかもしれませんが夫や両親も一緒にご祝儀を開く場面で『えっ』となる気まずさは当事者にしか分からないでしょう。あなた何でこんな子呼んだの?となります」
招待客もそれなりの額を包んでくれるのだからと、料理や引き出物のランクを上げておもてなしにこだわったのだ。ご祝儀で全てをカバーするつもりはなかったものの、その気持ちを裏切られたような気がしてもおかしくない。ただ、今はもう思い出すことも稀な様子でこんな風に思いを語ってくれた。
「たまに学生時代の写真を見返して『元気かなー』と思うことがありますが、自分も社会人を経て3人の子育てをしつつ、幸せに暮らしています。今の人生には必要のない過去の人たちと割り切っています」
結婚式が赤字であろうとなかろうと、女性の結婚生活は恵まれているようで何よりだ。
キャリコネニュースでは「友人と絶縁したことがある人」をテーマにアンケートを行っています。回答はこちらから。https://questant.jp/q/LQ1RHMHG
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