長時間労働で残業代が支払われない、パワハラも横行するような会社に入ってしまったら、早いうちに転職するほうが身のためである。東京都の40代前半の男性(エンジニア/年収850万円)は、かつて営業として働いていた「創業50年程の小さな加工品会社」の労働環境が劣悪だったと明かす。
「月額4万円の営業手当が出るから残業代、休日出勤代無しの定額制、時間外労働時間は月150時間くらいはありました」
営業手当に残業代が含まれる場合でも、何時間分の残業代と設定されているかを確認し、超えた分を残業代として請求することは可能なはずだ。おそらく男性もそう指摘したのだろうが、総務部長からは「うちは慣習でこうしているからいいんだ」と言われてしまう始末だった。(文:長田コウ)
上司に「通りすがりに椅子を必ず蹴られた」
男性の直属の上司にあたるのだろう、営業部長は学歴コンプレックスが酷かったといい、国立大卒の男性には「何をするにも嫌がらせ」をしてきたそう。「通りすがりに椅子を必ず蹴られたり」といい、これはもうパワハラだ。営業部長を避けるために男性はある策をとっていた。
「会いたくないので早朝5時に出勤し、即座に出張して22時に帰社、を繰り返していました」
これはこれでしんどかったに違いないが、それ以上に営業部長が「嫌い」だったのだろう。ある日、男性が休日出勤をしていると、よりによって営業部長も出勤してきたのだ。しかしあろうことか、パソコンでゲームをしていたという。それを見てやっていられないと呆れたのか、結局男性は会社を辞めた。エンジニアになった今では清々しているようだ。
「2回転職した今はあの会社を使う側になったので中々悪くないキャリアだと思います」
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