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「そんなの絶対いらないでしょ!」高齢母と娘が口論 「生前処分」特集で胸が痛くなる

12月8日放送の「スーパーJチャンネル」(テレビ朝日系)で、非常に観ていて複雑な気持ちになる特集が放送されていた。「生前整理…それぞれの決断」と題されたこの取材VTRは、昨今なにかと話題になっている、自分の死を間際にいての財産整理などを目的として行う、終活関連の特集であった。(文・松本ミゾレ)

バリアフリーの高齢者住宅に引っ越すため、思い出の品を手放す夫婦

愛用家具手放すには心痛む思い

愛用家具手放すには心痛む思い

前半では、これまで何十年も苦楽を共にしてきた老夫婦が登場する。この夫婦、最近は病気や体の不自由に悩んでいたそうで、とうとう2人とも長年親しんできた家を手放し、高齢者住宅に入居する決意を固めた。

高齢者住宅なら設備もバリアフリー。生活する上でも非常に安心できる。この決断は老夫婦にとっても、その子供たちにとっても良い選択かもしれない。ただ、そうは言ってもずっと愛用してきた家財道具一式を手放すには、心が痛む思いもあったようだ。

元々テレビのブラウン管を製作する仕事をしていたという旦那さんは、地デジに以降してもなお、かつて自分が手がけたアナログテレビを大事に保管していた。しかしこれを高齢者住宅に持ち込むのも手間がかかる。かといって処分するのは辛い……。

結局この大切な思い出の詰まったテレビは、取材中に訪れた回収業者がその想いを汲んでしばらく預かり、引き取り手を探すと申し出てくれた。老夫婦はこの申し出に安心し、胸を撫で下ろした。今後新しい環境で、2人はますます支えあって生きていくのだろう。

「絶対使わないから!」40代娘の態度にうんざり

対照的だったのは、特集後半に登場した一家。70代の夫婦が暮らす住居に置かれた家財道具。これを処分する様子に立ち会うためにカメラが入ったんだけど、何故かその場には夫婦の娘である40代の女性が同伴している。

この娘さんがまあ~、個人的に「2015年度・いっしょに暮らしたくないランキング」でぶっちぎりの1位に輝くような、めんどくせえ女だった!

自分の両親が暮らす家に置かれたベッドを指して「これもういらないよね」と軽くジャブ。お母さんは困惑しながら「でも必要だもん……いらなくないって」と反論。これに娘は明らかに不満気。

さらには絵皿を目にして「絶対使わないから! マジで使わない!」と再び処分を要求。お母さんは「お前は嫁に行った人間でしょう」とここでも反論するが、これに対してなんと娘の「いいよ、自分で捨てて死んでくなら。あたしいらないからね。捨てるよ」という台詞が飛び出した。

自分のものでもない皿を捨てようとするあまりにここまで言うなんて、これヤラセか? と思うぐらいの高圧的な態度。というか嫁に行ったなら娘も半分は他人。他人の所有物をこんなに高圧的に処分させようとするなんて。観ていて胸が痛くなった。

親の財産の生前整理に口出し無用! 子供はサポートに徹しては?

結局このようなやり取りが何遍も繰り返されたのだろう。その後はばっさりカットされていたんだけど、明らかに部屋からはモノが激減している。一応この夫婦も「部屋が広くなったから孫も遊びに来るんじゃない?」と話してはいたけど……。

他人様の家庭の事情に首を突っ込むような話をするのもどうかという思いもあるが、まあ番組がそう仕向けるような構成にしているので、敢えて言わせてもらうと、娘はなぜあんなに自分の両親に生前整理を強いるのだろう。

一応彼女は不動産関係の仕事をしているということなので、その辺の知識もあっての采配だと思うんだけど、それにしたって両親は健在なわけだし、まだ早いよ! 大体その両親はまだ70代。今や80代になってもピンピンしている元気な高齢者だらけの日本だというのに。かなり腑に落ちない、息苦しくなる特集だった。

生前整理、終活は、あくまでも自分の死を前に周囲に迷惑をかけず、子供への負担を極力省くために、自分の意思でやっておくもの。そこに家族や法律の専門家のアドバイスこそ必要であっても、指図を受ける必要性はない。

「せっかく社会現象として認知されつつある終活なのだから、その黎明期にあってこういう間違った解釈を放送してくれるな」と、僕は感じた。

あわせてよみたい:流行語大賞ノミネートの「ミニマリスト」に違和感!

 

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