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幽霊?バス運転士が目撃した“謎の男” 「バス停には誰も居ませんでしたよ」と他の客に言われて震撼

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見えるはずのないものが見える、という経験は恐ろしい。「私は田舎のバス会社でドライバーをしています」と語る沼田さん(60代:仮名)は、そんな奇妙な体験をしたという。去年の9月頃のことだった。

「夕方の5時40分頃でした。バス停で待っていたのに乗らなかった人がいて、後でその乗客の話を先に乗っていた親子に話したら、びっくりした顔で『バス停には誰も居ませんでしたよ』と言われて驚きました」

一体どういう状況だったのか。編集部では沼田さんに当時の話を詳しく聞いた。(文:篠原みつき)

「さっきの男の人、動かなかったけど生きてる人だよね」

バス運転士歴20年以上の沼田さん。その日は体調が悪いということもなく、いつもと変わらない勤務状況だった。

「始発から2つ目くらいで小学生の女児と若いお母さんが乗車しました。それから数分先のバス停のベンチに、グレーの作業着のような服装の40代くらいの男性が座って待っていました。左腕にラインが入っていたのを覚えています」

それは信号のある交差点を曲がって20メートルほど先にある、総合病院前のバス停だった。

「交差点の信号で止まっていてもしっかり見えるバス停です。男性がいるところに乗車用の入り口を合わせて停車し、ドアを開けましたが乗る気配がありません。そこで外のスピーカーを使って案内しましたが、それでも乗らないので、閉めてから発車しました。男性は、眠っているように無表情でしたね」

せっかく停まったのに空振りに終わり、なんとなくモヤモヤが残っていた沼田さんは、その先のバス停で最初に乗車した親子が降りるとき、この男性の話をしたという。

「親子が降りるときに、『さっきの男の人、動かなかったけど生きてる人だよね』って言ったところ、びっくりした顔で『えー!バス停には誰も居ませんでしたよ』と言われて私もビックリしました。その親子は私が冗談でドアを開けてマイクで話していたんだと思っていたそうです。その後は怯える様に『いた事にしましょう』って言いながらバスから降車して行きました」

驚くことに、バス停で人を見たのは沼田さんだけだった。あまりの事に、男性はその出来事を同僚に話したという。すると

「同僚は、私と同じ場所で白い人が見えたことがあると言いました。交差点の信号で停車しているときに、待っている乗客がいるのが見えたのに、信号が青になり曲がってバス停に着いたらいなかったそうで、不思議です」

沼田さんだけではなく、同じバス停で他の運転士も不思議な人影を見たというのだ。それが何だったのか真相は分からないが、いずれにしても見てしまったら恐ろしい。

「実は私の家はこのバス停からすぐ近くにあり、家からもよく見えますが、それから数日は帰宅時にそのバス停を見ない様にしてました。総合病院は数年前に他所から移転してきたので新築ですが、その前も、この場所には県立病院が何十年とありました。近くにはお寺さんや葬祭センターがあります」

いわく付き、というほどではないが、色々と考えてしまう場所のようだ。単なる見間違いなのか、それとも……。

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