「負け組底辺だから独身でいいよ!」 30超えて独り身の男性は果たして惨めなのか?
先日、ヒマだったので厚生労働白書の「生涯未婚率の推移」というデータを見ながら「鬼ころし」を飲んでいた。日本の男女の未婚率は、年々その推移が高まっている。
2015年には男性の24.2%。女性の14.9%が未婚という、高い数値を記録していたそうだ。この傾向は今後も続くようで、推計値によれば、少なくとも2035年までの間、ずっと右肩上がりが予想されているという。今や一生結婚しないままの人々は、男性の場合は4人に1人という異様な割合になっている。(文:松本ミゾレ)
「あえて結婚を選ばなかった奴は幸せだと思う」という意見も
前述の推移を眺めて物思いにふけっていると、ちょうど2ちゃんねるに「30歳も超えて結婚できず子供もいない男の惨めさは異常」という刺激的なタイトルを冠したスレッドを見つけることができた。
まあ、普通に考えて成人男性が結婚を意識できるような異性に出会わず、ただ1人で徐々に老いさらばえていくというのは、ちょっと悲しい。
しかし一方で、結婚をしないという選択肢を選んで独身のままで通している男性もいるはず。そういう男性にとっては、30歳を過ぎても独り身のままだというのは、願ったり叶ったりではある。
果たして30過ぎても結婚ができず、子供もいない人生を歩むのは負け犬のそれなのだろうか。スレッドに寄せられた色んな意見の中から、一部をご紹介したい。
「負け組底辺だから独身でいいよ。というか女性様に結婚してもらえない」
「30過ぎの独身とか、自分自身も生物としてのピークをとっくに過ぎ、若さを失い、親を失い、今後いろいろ失っていくだけの人生が待っているだけだからな。そのむなしさを紛らわせるために、趣味にハマったふりをして自分自身をごまかしてる奴もいるだろうけど」
「あえて結婚を選ばなかった奴は幸せだと思うがな」
このような具合に、結婚が望めないから諦めて独身生活を満喫しているとする声。そんな声に対して「自分をごまかしている」とする意見。あるいは結婚を選ばない人生を自分でしっかり選択した場合は幸せではないかとする声など、色々と考えの違いが見て取れる。
「今後いろいろ失っていくだけの人生」なんて指摘に、ハッとならないぐらいの人じゃないと、自信を持ってこの先も独身であり続けることはできないのかな、なんてことはちらっと頭をよぎった。
最初に決めたビジョンに従うのも男!考えを一気に転換するのもまた男!
僕は来月33歳になる。最近では、「おじさん」と呼ばれることも増えてきた。気持ちは若いつもりだけど、年々腰は痛くなるし、性格も卑屈になるし、寝起きの口は地獄みたく臭いし、確実に加齢は進んでいる。周囲の友人たちは、もうとっくに所帯持ち。結婚ラッシュも過ぎ去って久しい。
彼女はいるものの、現在は独身。こういう境遇は自分が望んできたものだ。恐らくこれまでに何度も結婚のチャンスはあった。しかしどうにも、子どもというのが苦手だったため、結婚して子育てをするというビジョンが見えなかった。
その気持ちはつい2年ぐらい前までは強かったんだけど、ここにきて気持ちに、少しばかり変化が生じてきた。心の底に燻る、「もしかしたら結婚して、子供をなす人生の方が幸福なのではないか?」という思いも、年々強くなっているのは確かだ。
でも人って……特に僕みたく結婚もせずに三十路以降も趣味だ、遊びだで生きてきた人間なんてのは、ガラッと人生の視点を変えられるほど器用ではない。恐らく僕はこのまま結婚はしないんだろう。したくないという気持ちの方が強い。
葛藤も勿論あるが、それでも、どうしたってこの手に自分の子供を抱く光景を想像すると、失笑してしまうのだ。だけどこれは僕の考えでしかない。
同じような境遇で、結婚に対して、育児に対して前向きになりつつあり、且つ独りぼっちの老後に怯えている30代以降の男性がもしこれを読んでいたら、是非真剣に自分の今後を考えてほしい。「俺は不器用なのでこの生き方しかできない」という考えを修正できるかどうかは人によって異なる。
結婚しても、しないまま死んでも、一度きりの人生なのだ。どうせなら、少しでも後悔が少ない方向に寄せていくべきだろう。
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